映画『ブラックパンサー』に続いて続編でも監督を務めるライアン・クルーガーが、故チャドウィック・ボーズマンのプロ意識の高さを振り返った。(フロントロウ編集部)

続編を望んでいたなかで亡くなったチャドウィック・ボーズマン

 2020年8月、結腸がんとの闘病の末に43歳の若さで亡くなった俳優のチャドウィック・ボーズマン。約4年間にわたって大腸がんと闘っていたチャドウィックだけれど、その事実は家族やごくごく親しい関係者数名のみにだけ知らされていたことが明らかになっており、その訃報はファンだけでなく、関係者にも大きな衝撃を与えた。

画像: 続編を望んでいたなかで亡くなったチャドウィック・ボーズマン

 マーベル映画『ブラックパンサー』で自身が演じていたブラックパンサー/ティ・チャラとしての役割を最後まで全うしようとしていたチャドウィックは、亡くなる1週間前まで、同作の続編の制作に臨めると信じていたとする関係者の証言も伝えられている。

 2022年7月8日に全米での公開が控えている続編『ブラックパンサー2』は、2021年内に撮影が開始される予定となっており、少なくともチャドウィックが演じたティ・チャラの代役を立てることはしないことをマーベルが既に発表しているほか、デジタル技術を使ってチャドウィックを復活させることはしないことも明らかになっている。

監督がチャドウィックの人間性を振り返る

 前作『ブラックパンサー』に続いて続編『ブラックパンサー2』でもメガホンを執るライアン・クーグラー監督は先日、チャドウィック亡きの続編制作について、「疑いようもなく、これは私の仕事人としての人生で最も困難なことです」と苦悩を明かしていたが、それでも、立ち止まることは考えていないという。

画像: クーグラー監督(左)とチャドウィック(右)。

クーグラー監督(左)とチャドウィック(右)。

 米The Hollywood Reporterのインタビューに応じたクルーガー監督は今回、「愛する人を失った時にも、進み続けなければなりません」と、続編の制作に対する強い意欲を明かしている。「チャドウィックもきっと、私たちが立ち止まることは望まなかったでしょう。彼は集団の力を信じていた人でしたから。『ブラックパンサー』は彼の映画でした。他の誰かが想定されるよりも前から、彼はあの役に抜擢されました。私が監督に抜擢されるよりも前であり、女優も1人として抜擢されていなかった時でした」と語った上で、チャドウィックが主役としていかにセットで他のキャストたちを気にかけていたかについて、次のように振り返った。

 「セットでは、彼は常に他の人たちのことを気にかけていました。彼は自分が抱えていたものを差し置いて、他の人たちのことを気にかけ、彼らが心地よくできるように気遣っていました。彼の場面をカットした時にも、彼はその場にいて、カメラに映らないところで(他の俳優たちが演技をしやすいように)セリフを読み上げていたものです」。

 「なので、私としては、立ち止まるほうが難しいです。それが真実です。『何をしているのですか?』と私に叫ぶ彼の声を感じます。進み続けなければならないのです」と、チャドウィックが『ブラックパンサー』のセットで見せていたプロフェッショナルな振る舞いを振り返り、彼のためにも制作を続けなければいけないと強調した。(フロントロウ編集部)

 

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