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映画『ファーザー』で英国アカデミー賞(BAFTA)の主演男優賞を受賞した俳優のアンソニー・ホプキンス。バーチャル授賞式には参加せず何をしていた? 受賞を知った瞬間の出来事がほほえましすぎる。(フロントロウ編集部)

アンソニー・ホプキンス、英国アカデミー賞をパスして何してた?

 映画『羊たちの沈黙』や『2人のローマ教皇』といった代表作で知られる俳優のアンソニー・ホプキンスは、認知症になりゆく父親と家族の絆を描いたヒューマンドラマ映画『ファーザー』で英国アカデミー賞(BAFTA)の主演男優賞を受賞。

 今年の各種映画アワードで主演男優賞の座を争っている、『マ・レイニーのブラックボトム』の故チャドウィック・ボーズマン、『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』のリズ・アーメッド、『アナザーラウンド』のマッツ・ミケルセンといった強豪たちを制し、一歩リードしたアンソニーだが、現地時間4月10日に開催されたBAFTAの授賞式には登場しなかった。

画像: アンソニー・ホプキンス、英国アカデミー賞をパスして何してた?

 その後に行なわれたバーチャル記者会見で受賞の喜びを語ったアンソニー。ただ、自分が受賞するとは夢にも思っておらず、授賞式中は滞在先のホテルで大好きな絵画の制作に没頭していたと明かした。


隣の部屋が何やら騒がしい

 「ホテルの部屋で絵の具まみれになりながら絵を描いていたんだよ。(受賞して)本当にびっくりした」というアンソニー。授賞式の放送も観ず、ただゆったりと筆を動かしていたところ、隣の部屋から大歓声が聞こえてきたという。

 「『何が起きてるんだ?』って、きっとみんなサッカーの試合でも観ているんだろうと思った。そうしたらフローリアンからメッセージが来たんだ」と、『ファーザー』のフローリアン・ゼレール監督からの知らせでようやく自分の受賞を知り、隣の部屋の人たちが騒いでいたのは、自身の受賞に沸いていたからだと気づいたことを明かした。

ゼレール監督から動画メッセージを受け取り、受賞を知るアンソニー。

 英国アカデミー賞は、アンソニーにとって、1968年に公開された映画『冬のライオン』で初めて大きな賞にノミネート(助演男優賞)された記念すべきアワードだけれど、アンソニーは長い役者人生の中で、これまでに何度も同アワードでノミネートや受賞を果たしている。

 それだけに、獲ったら獲ったでもちろん光栄には思うものの、「授賞式はパスしてもいいや」と思ってしまうほどアンソニーにとってはお馴染みのイベントらしい。


アカデミー賞にもあまり興味はない

 ちなみに、アンソニーほどになると、映画界最高峰と言われるアカデミー賞にもさほど関心はないよう。

 83歳のアンソニーは『ファーザー』で第93回アカデミー賞の主演男優賞に史上最高齢でノミネート。さらに『ファーザー』は、作品賞、助演女優賞、脚色賞、編集賞、美術賞と計6部門にノミネートされている。

画像: ©TRADEMARK FILMS/ CINE@/AG STUDIOS NYC/EMBANKMENT FILMS/ Album/Newscom

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 コロナ禍で開催される今年のアカデミー賞授賞式は、ウェブ会議アプリのZoomなどを使ったリモート出演はNGで、候補者は原則来場という方針。その後、どうしても渡米できないヨーロッパ在住者たちのために、ロンドンとパリにも特設中継地を設けることが追加発表された。

 BAFTA後のバーチャル記者会見で「アカデミー賞にはどうやって参加するつもりですか? 」と質問されたアンソニーは、「オスカー(※)っていつだっけ? 今月末? 」と授賞式の開催日時もぼんやりとしか把握しておらず、「僕はウェールズにいると思う。その頃は長期休暇をもらってるんだ」「オスカーはどうするか、まだ決めていないな」と地元で家族とバケーションを過ごす予定で、アカデミー賞の授賞式に参加するかどうかは、まだわからないとひょうひょうと答えた。

※アカデミー賞の愛称


一番大事なのは俳優の仕事じゃない?

 もう何十年も前から絵画に取り組んでいて、個展を開いたこともあるほどの腕前のアンソニー。

 自身の作品や制作風景をインスタグラムやTikTokでもたまに公開しているのだが、インスタグラムのプロフィール欄を見ると気づくことがある。

 絵画のほかにも音楽も嗜んでいる多彩なアンソニーの職業には「アーティスト(芸術家)」と記されており、それに続く説明には、「アーティスト、画家、作曲家、映画・舞台・テレビ俳優」と書かれている。つまり、超がつくほど有名で偉大な俳優であるアンソニーにとって、「俳優」の仕事は画家や作曲家の次に来るものという認識のよう。

 アンソニーにとっては、映画・ドラマ業界で切磋琢磨する人々が憧れる有名なアワードの授賞式に参加するよりも、自由気ままに絵を描いたり、曲を作ったりしているほうが充実していると感じられるのかも。

愛猫の二ブローと自身の作品の前で。

(フロントロウ編集部)

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