セレーナ・ゴメスへの性的なツイートが問題視されたタイラー・ザ・クリエイター
6月25日に通算6作目となるニューアルバム『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』をリリースしたアーティストのタイラー・ザ・クリエイター(30)が、同作に収録されている「MANIFESTO」のなかで、かつてセレーナ・ゴメスに宛てて性的なツイートをしたことを謝罪した。
昨年開催された第62回グラミー賞にて前作『イゴール』が最優秀ラップアルバム賞を受賞するなど、高い評価を得ているアーティストの1人であるタイラーだが、そのリリックはたびたび物議を醸してきたことで知られ、2011年には、ミックステープ『ゴブリン』で歌われる歌詞が「同性愛についての侵害や偏見を助長」し、「テロ的な行動を引き起こさせる視点での憎しみを造成する」という理由で、イギリスへの入国を一時的に禁止される措置が取られるなどした。
そんなタイラーは、2010年から2011年にかけてセレーナに宛てて露骨に性的なツイートを複数しており、米Complexによれば、それが原因で一時的にアカウントを凍結させられたこともあったという。
タイラー・ザ・クリエイターがセレーナ・ゴメスに謝罪
今回、タイラーは「MANIFESTO」のなかで自身の過去の行動をセレーナに謝罪しており、セレーナが当時交際していたジャスティン・ビーバーの名前も出しながら、次のようにラップしている。
「キャンセルカルチャー(※)がツイッターのものになる以前に俺はキャンセルされた/ショウの会場の外でプロテストが起きて、俺はそいつらに中指を立てた/俺は10代だったんだよ、セレーナに宛ててクレイジーなことをツイートした/彼女を攻撃するつもりはなかった、会ったら謝るよ/俺は当時、ビーバーとヤろうとしていたんだよ」
※著名人や企業によって“問題”だとされる発言や行動があったときに、その問題の原因究明や解決を議論するのではなく、SNSを中心に集団で批判してその人や団体を「抹殺(キャンセル)」しようとする風潮のこと。これまで暗黙の了解として解決されずにきた問題に焦点を当て、当事者に責任を負わせたり、社会の風潮に変化をもたらすことができる方法の1つである一方で、問題提起や解決の域を超え、そもそもの論点からはズレが生じてしまったり、集団の力での団体や個人に対して誹謗中傷を行なう事態にまで発展するケースが増え、昨今、問題視されている。
「MANIFESTO」の音源はこちら。
当時ジャスティンとは友人だったタイラーは2013年、米ラジオ局KPWR-FMの番組のなかで、「俺たちはお互いを好ましく思っていないんだよ。俺がジャスティンとつるんでいたからね」と、セレーナはタイラーがジャスティンと親しくしていたことを好ましく思っていなかったとした上で、「彼女はいつも俺に意地悪で、文句を言ってくるんだよ」と語っていた。
また、タイラーについては先日、自身が2011年にリリースした楽曲「Fish」に合わせ、ビリー・アイリッシュが同曲に含まれる中国系の人々に対する蔑称を口ずさんでいた過去の映像がオンラインに流出し、ビリーに批判が集まるという一件もあった。(フロントロウ編集部)