緊急避妊薬をめぐるドタバタコメディ『PLAN B(原題)』が、気になる!(フロントロウ編集部)

Huluの映画『PLAN B』って?

 アメリカのHuluオリジナル映画『PLAN B(プランB)』の主人公は、サニーとループ。サウスダコタ州の高校に通う2人は、ある日サニーの家でパーティーを開催した。するとサニーは、その騒ぎのなかで初めてセックスを経験することに。しかしその経験は良いものではなく、サニーは後悔しながらもループとともに緊急避妊薬を手に入れるために薬局へ向かった。しかしなんと、薬局で薬が売ってもらえない! 24時間以内に飲まなくてはならない緊急避妊薬を探し求めて、サニーとループは道路を爆走!

『PLAN B』の注目ポイント

 アメリカで5月に配信開始となった『Plan B』が評価されている理由は、ユーモア全開でありながら、女性の自分の身体に対する権利や、それにまつわる問題点を細かく指摘していること。

 まず、長年多くの国で問題点が指摘されている性教育の不足や、少女たちが自分を守る方法を知らないこと、少年側の責任に対する教育が足りないこと、そして年代や宗教、性別によって異なるセックスという行為への思いなどを描く。

 さらにアメリカでは、ヘルスケアの従事者が自分自身のモラルや宗教に反すると考えた時には、患者への医療提供を拒否することができるConscience Clauseという条項が存在し、問題となっている。サニーが最初に訪れた薬局で緊急避妊薬を売ってもらえなかったのは、このため。

 サニーを演じたクーホー・ヴァーマは、「いまだにConscience Clauseが存在する州はいくつもある。それは私たちが想像するよりも、かなり、かなり厳しいもの。とくにリベラルな街から見るとね」と、英Glamourのインタビューで語った。

インド系アメリカ人のクーホー・ヴァーマが主演

 そして、インド系アメリカ人であるクーホーが主演に抜擢されたことも評価されているポイントの1つ。

 アメリカではこれまで中絶を扱った作品は少なからず制作されてきたが、その主人公は白人が多い。しかし、米ガットマッハー研究所の調査によると、アメリカ国内で中絶をした患者のうち、白人は39%。その他は黒人やヒスパニック系、アジア系などとなっている。

 そういった状況があるなかでは、白人以外の少女が直面する困難について描かれることも重要であり、クーホーのキャスティング、そしてもちろん彼女の演技力には注目。

 面白くも真面目な『PLAN B』は、アメリカのHuluで5月より配信がスタート。日本での配信は未定。

(フロントロウ編集部)

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