人生を謳歌する「The Old Gays」
TikTokを中心とするSNSで大人気となっているおじいちゃんたちがいる。「The Old Gays(ザ・オールド・ゲイズ)」という名前で知られる4人は、ゲイであることを明かしており、4人の仲の良い姿を映した動画や、ゲイプライドなテーマの動画が大人気に。
ここ数年でLGBTQ+コミュニティの当事者がメディアやSNSでも多く登場しているが、もちろん、その前から当事者はずっといるのだ。そして、今、当事者として悩んでいる若者に未来を感じさせる4人の動画は、とくに反響を得ている。
それは、4人が自分の若かりし頃の写真を持って当時の思いを振り返り、そして続けて今現在の思いを語る動画。そこでは4人が、このような気持ちを話している。
※TikTok動画が含まれます。動画が再生されない場合はフロントロウのオリジナルサイトでお楽しみください。
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♬ original sound - The Old Gays
「若い頃は、父がいつも僕のことをアウティング(※)しようとしてきていたよ。そして今私はここにいる。自由で、誇りを持って。そしてとてもゲイで」
※その人のセクシャリティを本人の同意なく他人に明かすこと。
「大学生の時に父が突然亡くなって、自分の未来が分からなかった。でも今日、私はここにいる。78歳で、誇りを持って。そしていまだに順調だ」
「若い頃は、母にカミングアウトするのが恐怖だった。しかし、ついに勇気を出してそうしたら、母は自分らしくいるよう励ましてくれた。そして今私はここにいる」
「これは20歳の私。初めてプライドパレードに参加する1年前のこと。自分が誰なのか分からなかった。そして今、55回のプライドが過ぎ、私は自分が誰だかはっきり知っている」
おじいちゃん世代のゲイが若かりし頃の写真と現在の自分を比較する様子は、人生は長く、良いことは起こるという希望を感じさせる。
じつはこの動画は、アメリカの大手ハンバーガーチェーンであるシェイクシャックがプライド月間に発表したドリンクのプライドシェイクを紹介する動画なのだが、その内容の良さから各SNSで大きく拡散された。
一方で、TikTokで約150万人のフォロワーを誇るThe Old Gaysの1人であるジェシーは、これまでに当事者が経験してきた苦悩も伝えていかなければならないと、米Todayのインタビューで語る。
The Old Gaysの4人。左から、ビル・ライオンズ、ジェシー・マーティン、ロバート・E・リーヴス、マイケル・ピーターソン。
「私たちが人々を教育しているなかで最も重要なのは、60年前には、カミングアウトするということは本当に苦しいことだったということだと思う。両親とかにカミングアウトについてなんて話すことはしなかった。事実、多くの場合、親が子供がゲイだと知ったら、すぐに家から追い出していたということがあった。最初は、それは本当に簡単なことではなかった」
LGBTQ+への差別はまだまだ残っている。しかし多くの国で同性婚が出来るようになったり、当事者やアライ( 支援者・理解者)の活動によって昔よりは偏見が減ってきたりしている。今よりも差別が激しかった時代を経て、今を楽しく生きるThe Old Gaysの姿には、多くの人が元気づけられている。
(フロントロウ編集部)