リア・ミシェル、念願の妊娠までの道のり
ドラマ『glee/グリー』でブレイクした俳優のリア・ミシェル(34)は、2020年8月下旬に夫で会社経営者のザンディ・リッチとの第1子エヴァーを出産。リアのインスタグラムでも時々後ろ姿や横顔がお披露目されているエヴァーは、すくすくと成長し、もうすぐ1歳を迎える。
リアの妊娠~出産への道のりは険しく、一時は妊活をあきらめようと思ったことも。というのも、リアは、30代を目前に、排卵が阻害されて卵巣内に多数の卵胞がたまり、月経異常や不妊を生じる「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」と診断。
子宮内からポリープや嚢胞(のうほう)、瘢痕(はんこん)組織を取り除くために複数回にわたって手術を受けたことをママ友でアーノルド・シュワルツェネッガーの娘であるキャサリン・シュワルツェネッガーと対談したインスタグラムライブの中で告白していた。
「3度目の手術を終えた頃、私はすごく落ち込んでいた。たくさん薬を飲んでいたし、つねに手術から回復しようとしている状態だったから。『もう(妊活は)ストップしよう』『私は妊娠できない運命なんじゃないか』って思ったこともあった。私にとって、母親になれないかもしれないというのは、人生を通してつねに恐れていたことだった。その不安がどんどん大きくなっていったの」と当時を振り返ったリア。エヴァーを妊娠したことを知ったのは、奇しくも、夫のザンディと話し合い妊活をやめようと決めて間もなくのことだった。
帝王切開による出産に落ち込む
嬉しいサプライズにより、念願だったママになるという夢の実現に近づいたリア。しかし、詳しい事情は明かしていないが、エヴァーの出産は経膣分娩ではなく帝王切開で行なわれた。できるだけ自然に近い経膣分娩を望んでいたリアは、帝王切開でのお産となったことにがっかりしてしまったそう。
「私は本当に経膣分娩がしたかったの。だって、どういう理由であれ、当時の私はそれこそが“母になる”ってことの証だと思っていたから」。
妊娠中はメンタルが絶好調だったとはいえず、さまざまな不安に苛まれて弱っていたというリアは経膣分娩を経験することで、「自分の強さを証明できるかもしれない」と必要以上に期待と理想を膨らませていたという。
しかし、そんな自分本位な思いは、エヴァーが誕生して母になった瞬間、どこかへ吹き飛んでしまったそう。
どんな出産の仕方であれ、この世に新たな命を産み落とせたことに感謝したリアは「私たち女性が持っている強さというのは、たとえ実感できなくても確かにそこにある。それから、私の息子は本当によく戦った。彼をこの腕に抱いて、最初に私が言ったのは『よく頑張ったね。あなたは、よくやった』という言葉だった」と明かしている。
帝王切開への偏見 ママたちが抱えるモヤモヤ
日本国内の医療施設を対象に算出された2014年の統計によると、帝王切開で出産する妊婦は5人に1人。つまり、全体の20%の赤ちゃんが帝王切開により誕生している。
昨今は、帝王切開に関する知識が少しずつ広まり、理解も深まっているものの、ひと昔前の凝り固まった考えを持つ人々のなかには、帝王切開で出産したママたちに対して「経膣分娩で痛みに耐えてこそ本当の出産なのに」「ラクをして産んだ」「下から産めなくて残念だったね」と心無い言葉を浴びせる人もいる。
これも一種のマミー・シェイミング(母親批判)にあたり、そんな言葉に深く傷ついてしまうママたちも。
帝王切開には、「予定帝王切開」と「緊急帝王切開」がある。
「予定帝王切開」は、お腹の中の赤ちゃんが逆子や双子だった場合、母親が以前に帝王切開やそのほかの子宮の手術を受けた経験がある場合、もしくは胎盤が子宮の出口を塞いでしまっている(前置胎盤)など、経膣分娩が母体や赤ちゃんの負担となることがあらかじめわかっている場合に選択され計画的に行なわれる。
一方の「緊急帝王切開」は、当初は経膣分娩を予定していたものの、分娩が始まってから赤ちゃんの首にへその緒が首に巻きついて低酸素血症になっていた、母親の胎盤が剥がれて子宮内に大量出血が起こっている((常位胎盤早期剥離)といったトラブルが発生・判明することによって急遽行なわれる。
予定帝王切開の場合は、事前にある程度心の準備ができるものの、緊急帝王切開で出産したママたちの中には、突然の出来事にショックを受けて自分を責めてしまったり、思い描いていた出産ができなかったことを引きずってしまったりする人もいる。
帝王切開の傷跡は「最高のリマインダー」
欧米のママたちの間では、たとえ経膣分娩はできなくとも、帝王切開の傷跡は立派に母になったことを証明する“勲章”だと祝福しようと、SNSなどであえて手術痕を公開するケースが増えている。
エヴァーの誕生から1年が経とうとするなか、リアはビキニ姿の写真を公開。
帝王切開の傷跡を見せたわけではないものの、ボトムに隠れて見えないほど、お腹のかなり低い位置を切開したため、見た目にも「まったく気にならない」ことや、むしろ見せても「構わない」と言及。帝王切開の傷は「世界で最高のリマインダー(※)。もう8月。私のベビーがもうすぐ1歳になるなんて信じられない! 」と誇らしげな様子でコメントを添えていた。
※ある出来事を思い出させるもの
(フロントロウ編集部)