アメリカでも猛威を振るう新型コロナウイルスのデルタ株
最近になって日本では新型コロナウイルスの感染者数が急増し、変異株であるデルタ株の感染も急速に拡大しているが、一足早くワクチンの摂取が進み、音楽フェスティバルなどのライブエンターテイメントも本格的に再開し始めていたアメリカでも、デルタ株が猛威を振るっている。
アメリカでは7月まで、ワクチンの接種が完了した人はマスクをしなくても良いという方針だったものの、感染拡大が深刻な地域では、ワクチンの接種が完了していても屋内ではマスクを着けるよう奨励するという方針になったほか、ワクチンの接種もこれまで以上に奨励されるように。オリヴィア・ロドリゴやアリアナ・グランデらセレブたちも改めてワクチン接種を呼びかけているのに加えて、放送局のCNNが“出社する場合はワクチン接種済みに限る”というルールを破った従業員を解雇するなど、ワクチンの接種を義務化する企業も増えている。
アーノルド・シュワルツェネッガーがマスク不要論やワクチン不要論に苦言
それでも、今なおマスク着用を徹底していない人や、ワクチンに懐疑的な意見を持つ人は一定数いるのだが、今回、俳優で元カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガーがアメリカ合衆国国家安全保障会議のアレクサンダー・ヴィンドマン氏やCNNのビアンナ・ゴロドライガ氏とディスカッションを行ない、マスクやワクチンに懐疑的な目を向ける人々について自身の見解を語った。
アーノルドはそのなかで、今なおマスクやソーシャルディスタンスを徹底していない人たちがいるとした上で、「私たちが事あるごとに思い出さなければいけないのは、専門家の人たちが、マスクを着けなければいけないと言っているということ。屋内にいる時は特にね。ウイルスが第4派として改めて戻ってきたなかで、専門家の人たちは今なお定期的に手を洗うべきと言っているし、ソーシャルディスタンスはまだ必要だと言っているんだ。私たちが全員で一緒になって取り組まなければいけないんだよ」と、感染症の専門家の意見にきちんと耳を傾けるべきだと指摘している。
74歳になった今も定期的にジムで身体を鍛えていることで知られるアーノルドは、専門家の意見の大切さについて、「例えば、私は上腕二頭筋を鍛えることについては専門家だ。私よりも上腕二頭筋について知っている人はいないだろう。なぜなら、私はこのテーマについて50年以上も研究してきたからね」と、自身の上腕二頭筋についての知識の豊富さを持ち出しながら、次のように続けた。
「ウイルスについても同じことが言えるんだ。何年もかけて研究してきた人たちがいるんだよ。(米・感染症対策トップのアンソニー・)ファウチ医師は人生を通じて研究してきた。どうしてそういう方々を信じないのだろうね?」
ディスカッションのなかで、アーノルドはマスク不要やワクチン不要に“個人の自由”を理由として挙げる人々に対しても言及しており、次のように呼びかけている。「『個人の自由が侵害されている』なんて考えてはいけないんだ。あなたの自由など知ったこっちゃない。自由というのは、義務や責任を伴うものなんだからね。他の人にも影響を与えるのに、『私にはこれをする権利がある』とばかり言ってはいけない。事態はそういう時に深刻になってしまうんだ」。 (フロントロウ編集部)