リアリティ番組『ル・ポールのドラァグレース』のフランチャイズ史上初めて、シスジェンダーの女性が初めてクイーンとして参加する。(フロントロウ編集部)

『ル・ポールのドラァグレースUK』シーズン3のヴィクトリア・スコーン

 ドラァグクイーンの頂点を決めるリアリティ番組『ル・ポールのドラァグレース』のイギリス版のシーズン3に、生まれた時に割り当てられた性別と性自認が一致するシスジェンダーの女性、ヴィクトリア・スコーンが参加することがわかった。

 ドラァグとは、ジェンダーにひもづいた言動をオーバーに演じるアートパフォーマンスの一種。ドラァグクイーンは女性のフェミニンさを、ドラァグクイーンは男性のマスキュリンさをベースにしている。ドラァグクイーンはこれまではゲイ男性が中心だったものの、近年は少数ながらも、トランスジェンダーやノンバイナリー、さらにはシスジェンダーの女性も参加するようになってきている。

 とは言え、本家であるアメリカ版をはじめ、イギリスやカナダ、オーストラリア、イタリア、フィリピン、タイなど世界的なフランチャイズへと成長している『ル・ポールのドラァグレース』の歴史においても、シスジェンダーの女性が出場するのはこれが初めて。

ヴィクトリア・スコーンが声明を発表

 ヴィクトリア・スコーンは番組を放送する英BBCとのインタビューで、シスジェンダーの女性として業界で受け入れられることの苦労を語り、ドラァグショーではブッキングしてもらえず、「これはあなた向きのイベントじゃないよ」と言われたこともあったことを明かした。

 そしてメディア向けの声明では、こう語った。

 「これは正しいことって感じがする! 私は女性のためのドラァグアートを発明したわけではないです。(シスジェンダー女性のドラァグクイーンは)私が最初ではないし、最後でもないでしょう。私がここにいることは政治的な議論を起こすことですが、それを楽しんでもいいのです。それが私がこれを始めた理由。私はただ人々をエンターテインしたかったし、それが私たちのやるべきことなんだから。ドラァグは楽しくやればいいの!」

 そして自身がAFAB(※Assigned Female at Birth=生まれた時に女性と割り当てられた)のクイーンとたびたび呼ばれることに対しては、「私たちはシスジェンダーの男性ドラァグクイーンをAMAB(※Assigned Male at Birth=生まれた時に男性と割り当てられた)クイーンとは表現しないので、だから、全員をドラァグクイーンまたはドラァグアーティストと呼ぶことにします」と声明で語った。

 『ル・ポールのドラァグレースUK』は公式インスタグラムアカウントで、ヴィクトリア・スコーンの紹介文の中で「ドラァグは全員のためのもの」と書いて、新たなクイーンの参加を歓迎している。『ル・ポールのドラァグレースUK』シーズン3は2021年9月にイギリスで放送予定。日本上陸は未定。(フロントロウ編集部)

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