『クイーンズ・ギャンビット』エミー賞で作品賞
アメリカのプライムタイムに放送された番組や大手動画配信サービスの番組の中から、最も優れた作品やキャスト、クルーが表彰されるエミー賞。
先日開催された第73回エミー賞でリミテッドシリーズ/テレビムービー部門の作品賞を受賞したドラマ『クイーンズ・ギャンビット』は、映画『ミスター・ガラス』や『ニュー・ミュータンツ』などに出演し注目を浴びているアニャ・テイラー=ジョイが主演を務めるNetflixオリジナル作品。
原作は、1983年に発表されたウォルター・テヴィスによる同名小説で、米ソ冷戦時代を舞台に、主人公のベスが薬物やアルコール依存に悩まされながらも、チェスの最高位であるグランドマスターを目指すというストーリー。
エミー賞に姿を現したアニャは一際目を引くディオール(Dior)のオートクチュールのドレスを着用し、まるで頭上に王冠をのせたような華やかなヘアを合わせた姿で登場。細部にまでこだわりを見せた彼女は、『クイーンズ・ギャンビット』の主題であるチェスのモチーフをネイルにも取り入れた。
そんな本作で監督を務め、映画『LOGAN/ローガン』や『マイノリティ・リポート』などの脚本家としても知られるスコット・フランクが、本作の続編についてエミー賞後のインタビューでコメントした。
『クイーンズ・ギャンビット』の続編の可能性は…
本作は、1シーズン7話でよくまとまっている作品で、シーズン2に続くような印象は受けない。しかし、『クイーンズ・ギャンビット』やアニャのファンからは、彼女が本作で見せた奥行きの深い演技をまた見たいとの声が上がっている。
以前アニャは、米Esquireのインタビューで続編の可能性について「この業界にいることで学んだことがあるとしたら、『絶対ないとは言わない』ってこと」、「私はこのキャラクターを愛しているし、頼まれたら必ず戻ってくるけれど、ベスを良い場所で放っておいてあげたい」と語っていたが、この度エミー賞受賞後に米Deadlineのインタビューを受けたフランク監督は、「私たちは自分たちが伝えたいストーリーを伝えたと思っている。これ以上伝えようとすると、すでに伝えたものを台無しにしてしまうのではないかと心配している」と、物語の結末的に、続編の制作には前向きではないことを明らかにした。
そして、本作で制作総指揮にあたったウィリアム・ホーバーグが「我々全員が、これからも一緒に仕事をしていくことは間違いない」と語るとアニャは「もちろんです!」と答え、ウィリアムは「同じ情熱と素晴らしいアーティストのチームで語るべき別のストーリーを見つけようとしています」と付け加え、『クイーンズ・ギャンビット』ではない新作の可能性を示唆した。
『クイーンズ・ギャンビット』は、チェスの再ブームを引き起こす社会現象にまでなった名作。スタッフは続編制作よりも新企画に乗り気のよう。気になる詳細についてはまだ明かされていないが、今後の続報をお楽しみに。(フロントロウ編集部)