R.ケリーに有罪判決
2019年1月にドキュメンタリー番組『サバイビング・R.ケリー:全米震撼!被害女性たちの告白(原題:Surviving R. Kelly)』で長年におよぶ性犯罪が告発されたことをきっかけに逮捕につながったR.ケリーの裁判が、米現地時間9月27日にニューヨークで行なわれた。
今回、ケリーは1件の組織犯罪と8件のマン法(※)違反に関連した罪に問われ、そのすべてで有罪判決が出されている。有罪の判決が下された容疑には数十年前にさかのぼるものもあり、そのなかには、1994年にケリーが当時15歳の未成年だった故アリーヤと結婚するために、イリノイ州職員に500ドル(約5万5千円)の賄賂を支払って偽の身分証を発行させた件も含まれている。ケリーは他にも、自身が性病にかかっていることを知りながら性行為をして相手に感染させた容疑や、誘拐、強制労働、児童ポルノを制作した容疑でも告発されていた。
※マン法(Mann Act):売春を目的とした女性の州間の移動を禁止する法律。
今回、検察は45人以上の証人を5週間にわたって召喚しており、そのなかには、ケリーから直接被害を受けたという11人と、ケリーの元従業員である8人も含まれている。検察はケリーを「プレデター(人を食いものにする者)」と称した上で、マネージャーやボディーガードといった従業員らと「犯罪事業」を築き、セックスやポルノ撮影のために女性や未成年の子供たちを雇って州間を移動させていたと主張した。
量刑は来年2022年5月4日に言い渡される。米NPRによれば、ケリーには禁錮10年から最大で終身刑が言い渡される可能性があるという。
今回の裁判はニューヨークの裁判所が管轄だった事件が争点となっていたが、ケリーはニューヨーク以外にも、性的暴行や児童ポルノ、未成年への誘惑、公務執行妨害、売春などの容疑でイリノイ州とミネソタ州でも罪に問われている。
ケリー側は今回の判決を受けて改めて無罪を主張している。
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(フロントロウ編集部)