リトル・ミックスのメンバーであるペリー・エドワーズ、リー・アン・ピノック、ジェイド・サールウォールの3人が、SNSで元メンバーのジェシー・ネルソンのアカウントを一斉にアンフォロー。彼女たちの間で一体何が起きている?(フロントロウ編集部)

リトル・ミックスの3人がジェシー・ネルソンのアカウントをアンフォロー

 UKを代表するガールズグループ、リトル・ミックスのメンバーであるペリー・エドワーズリー・アン・ピノックジェイド・サールウォールの3人が、昨年12月にグループを脱退したジェシー・ネルソンのアカウントをインスタグラムで一斉にアンフォローしたことが明らかになった。フロントロウ編集部が確認した。

画像: 2019年7月、ロンドンにあるKISS FMのスタジオを訪れた(左から)リー・アン・ピノック、元メンバーのジェシー・ネルソン、ペリー・エドワーズ、ジェイド・サールウォール。

2019年7月、ロンドンにあるKISS FMのスタジオを訪れた(左から)リー・アン・ピノック、元メンバーのジェシー・ネルソン、ペリー・エドワーズ、ジェイド・サールウォール。

 昨年11月に個人的な医療上の理由で長期の休養に入り、翌12月にリトル・ミックスを脱退したジェシーは先週10月8日、ニッキー・ミナージュをフィーチャリングに迎えたソロとしてのファーストシングル「Boyz」をリリースしたばかり。

 ジェシーにとっての門出であり、ジェシーはリリースに先立って行なった英Glamourとのインタビューで「願わくば、将来のある時点で、私たち全員が一緒に戻ることができたらいいな。彼女たちを愛している。いろいろな意味で私の姉妹」と元グループメイトの3人への愛を語っていた一方で、現在はあまりコミュニケーションを取り合っていないことを明かしていたが、このタイミングで3人がジェシーのSNSアカウントを一斉にアンフォロー。一体何が起きているのだろうか?

ジェシー・ネルソンに“ブラック・フィッシング”疑惑が浮上

 リトル・ミックスの3人はジェシーのアカウントをアンフォローした理由は明かしていないが、アンフォローと同じタイミングで、ジェシーには、“ブラック・フィッシング(Black Fishing)”疑惑が浮上していた。“ブラック・フィッシング”とは、2018年にスウェーデンの人気インスタグラマーであるエマ・ホールバーグが、白人でありながら黒人のフリをしていたことが発覚したことをきっかけに誕生した言葉。

ブラック・フィッシングの何が問題?

 黒人のフリをするというのは、憧れや好意からであって、差別ではないのでは?と考える人もいるが、問題なのは、その裏で多くの黒人が黒人であるだけで差別されているという事実。例えば、黒人のナチュラルヘアであるアフロや、それをまとめた編み込みやドレッドは、職場には適さないとしてストレートヘアにしなくてはいけないこともあると、アメリカで黒人差別に対して活動するダラ・サーモンドは英BBCに明かす。

 黒人であるだけで差別されるという状況があるのに、その他の人種が、差別は放置したまま黒人文化だけ利用するということは都合が良すぎると批判されている。また、インスタグラマーなどがブラック・フィッシングをした場合、本来ならば黒人が得られたであろう仕事の機会を、黒人のフリをした白人が奪うことになり得るため、黒人はとくに貧困層に陥れられやすいという問題もあると指摘されている。

 白人であるジェシーに“ブラック・フィッシング”疑惑が浮上したのは、ニッキーとのシングル「Boyz」がきっかけ。リリースに際して米音楽サイトVultureとのインタビューに臨んだジェシーはそのなかで、インタビュアーから、「Boyz」で“Blaccent(黒人風のアクセント)”を使っていると指摘されている。

 ジェシーのもとには他の人々からも“ブラック・フィッシング”ではないかとする疑惑の目が向けられているといい、インタビュアーからそのことを指摘されると、「私がリトル・ミックスにいた期間は一度も、そういう批判を寄せられたことはなかった。それなのに、私が抜けた途端、人々はそういうことを言い始めたの」とジェシー。

 一方で、自身は昔から黒人文化やブラックミュージックが大好きだったとして、「けど、私は黒人のカルチャーが大好き。私はブラックミュージックが大好き、私に分かるのはそれだけ。私はそのなかで育ってきたから」と明言。“黒人のフリをしているのではないか”とする意見に反論するように、「自分が白人のイギリス人だってことは分かってる。そうじゃないと言ったことはない」と続けた。

画像: ジェシー・ネルソンに“ブラック・フィッシング”疑惑が浮上

 米Vultureはインタビュー後、“ブラック・フィッシング”疑惑について改めてインタビューの機会をもうけてジェシーに訊こうとしたというが、実現には至らず。ジェシー側からは、インタビューを受ける代わりに、次のような声明文が送られてきたという。「自分に寄せられた意見を深刻に受け止めています。私は決して自分自身を人種的に曖昧に見せようとしたことはありませんし、私が当初、自分にその(ブラックフィッシングという)言葉が向けられた時にショックを感じたのはそういう理由です」。

黒人であることで経験してきた理不尽を告白したリー・アン・ピノック

 リトル・ミックスの3人がジェシーをアンフォローした理由について、詳細は分かっていないものの、黒人であるリー・アン・ピノックは昨年、黒人の命にも価値があると訴える「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)」運動や抗議デモが広がった際、「私たちを抑圧してきた体系を終わらせ、私たちと対をなす白人たちと平等に見られるようになるまで、ムーブメントを続ける必要があります」と訴える動画を投稿。

 そのなかで、黒人であることが原因でグループのなかで「いつだって、私が一番不人気だと感じている」という心境を打ち明けて、「現実として、私は自分の知っている才能のある(有色人種の)アーティストたちを見たいと思っていますが、業界のために、彼らはかつて私が得られたような機会を得ることはできません。彼らは『市場向き』ではないからです。音楽業界は世間が望むようなブラック・カルチャーの要素を持った人から『市場向き』ではないと思う要素は排除して、支援します。現実として、私はグループにおける透明人間のような存在だと感じていますが、私の中の一部では、もしも肌の色がもっと暗ければ、対処するのが遥かに難しいことも理解しているのです」と、黒人たちがシーンのなかで対処することを余儀なくされている困難について涙ながらに語っていた。

画像: 黒人であることで経験してきた理不尽を告白したリー・アン・ピノック

 リー・アンを含めメンバーはジェシーの件に関して声明を発表していないものの、リー・アンは、テレビ司会者のジージー・ミルズがインスタグラムにアップした、ジェシーの“ブラック・フィッシング問題”に苦言を呈した投稿にいいねしている。

(フロントロウ編集部)

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