トラヴィス・スコットが、自身が主催した音楽フェス「アストロワールド」で8人が亡くなる悲劇が起きたことについてコメントを発表。この惨劇のなかで、何者かが警備員に薬物を注入した可能性も浮上している。(フロントロウ編集部)

「アストロワールド」での惨劇に薬物に関連した事件の可能性が浮上

 現地時間11月5日に米テキサス州ヒューストンで開催されたトラヴィス・スコット主催のフェスティバル「アストロワールド」で、トラヴィスのパフォーマンス中にステージの前に観客が殺到し、これまでに8人が亡くなり、300人以上の怪我人が出る悲劇が発生した。亡くなった犠牲者のなかには、14歳と16歳の犠牲者もいたことが判明している。

画像: 「アストロワールド」での惨劇に薬物に関連した事件の可能性が浮上

 ヒューストンの当局の担当者によれば、悲劇が起きたのは現地時間午後9時ごろで、大勢の観客たちが何かしらのきっかけでステージ前方に押し寄せ、前にいた観客が圧迫される状態になったという。圧迫されてしまった観客がその場に倒れ込んでしまったことで、周辺はパニック状態となり、さらなる悲劇に繋がったと担当者は述べている。

 一方で、会場で警備にあたっていた警備員が、パニックになった観客たちを抑えようとした際、注射針のようなもので射されて薬物と見られる何かを注入され、意識を失って病院に搬送されていたことも明らかになっている。警備員は、病院で鎮静剤のオピオイドの過剰摂取を治療するための処置を受けたという。警察は今回の騒動の発端や死因が薬物の投与だった可能性もあるとみて、殺人事件も視野に捜査している。

ステージを続行していたトラヴィス・スコット

 悲劇はトラヴィスのパフォーマンス中に起きており、会場の異変に気がついたトラヴィスが何度かパフォーマンスを中断する場面もあったものの、パフォーマンスを中止することはせず、続行していた。

 地元紙 Houston Chronicleは、会場で悲劇が起きていることが明らかになってからもトラヴィスは36分にわたってパフォーマンスを続行したと報じている。トラヴィスはこの日、現地時間10月30日にニューヨークで開催されたフェスティバル「ローリングラウド」に出演した直近のライブと同じ、「Sicko Mode」と「Goosebumps」の流れでステージを締めくくっており、セットリストを予定通りパフォーマンスしたと見られる。なお、ステージの終盤にはドレイクがゲストとして登場し、「Sicko Mode」などで共演した。トラヴィスには、もっと早い段階で中断できたはずだとして批判の声も寄せられた。一方で、新たに発表された声明によると、トラヴィス側からは事態の深刻さは見えていなかったとされた。

画像: ステージを続行していたトラヴィス・スコット

トラヴィス・スコットがコメントを発表

 今回、トラヴィスは自身が主催したアストロワールドで発生した事故についてインスタグラムストリーズにアップした動画のなかでコメントを寄せ、「僕らは今、(犠牲者の)ご家族を特定しようと取り組んでおり、この難しい時において彼らを支援するつもりです」と、この悲劇に巻き込まれてしまった犠牲者の家族を全面的にサポートしていくことを表明した。

 トラヴィスは、パフォーマンス中には会場で起きていたことの深刻さに気がついていなかったとして、「もし自分が起きていることに気づけていれば、ショウを中断して、必要としている支援をしていました。事態の深刻さに気づくことができていませんでした」と続けている。

 「正直、僕はとても打ちのめされています。このようなことが起きてしまうなんて、想像もしていませんでした。今、起きていることに関して、僕はあらゆることを皆さんにお伝えし、情報を共有していくつもりです」。

 また、トラヴィスはツイッターにも声明文を発表。「僕の祈りはご家族の皆さんや、アストロワールドで起きた出来事に影響を受けた皆さんと共にあります」とコメントして、今後、警察の捜査に全面的に協力していくとした。

 トラヴィスは、イベントのプロモーターである米ライブネーションと共に、悲劇の被害者の1人からこの悲劇は「予測できたもので、防げたもの」だとして、訴訟を起こされたことも明らかになっている。(フロントロウ編集部)

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