11月19日よりNetflixで配信される実写版『カウボーイビバップ』で、フェイ・ヴァレンタインの衣装がオリジナル版よりも“セクシーじゃなくなった”と一部から批判の声が寄せられたことを受けて、衣装デザイナーが意図を説明した。(フロントロウ編集部)

実写版『カウボーイビバップ』フェイ・ヴァレンタインの衣装に批判の声

 11月19日よりNetflixで配信されるシリーズ『カウボーイビバップ』は、1998年に放送された日本の同名のアニメの実写版で、スパイク・スピーゲルをジョン・チョーが、ジェット・ブラックをムスタファ・シャキールが、フェイ・ヴァレンタインをダニエラ・ピネダが演じる。

 今年8月には初めて場面写真が公開されて話題を呼んだが、米ScreenRantによれば、一部のファンからはダニエラが演じるフェイ・ヴァレンタインが着ている衣装に批判の声が寄せられたという。その批判とは、フェイが着ている衣装が、オリジナルのアニメのものよりも“セクシー”ではなくなったというもの。

 フェイはアニメではショートパンツにホルタートップを着ていることで知られるが、実写版より公開された写真や予告編の戦闘シーンでダニエラが着ている衣装には、露出度などが減少させられたものも含まれている。

画像: 実写版『カウボーイビバップ』フェイ・ヴァレンタインの衣装に批判の声

衣装デザイナーが意図を説明

 今回、シリーズの衣装を手がけたデザイナーのジェーン・ホランドが、米Insiderとのインタビューでフェイの衣装に寄せられている批判の声に言及。「アニメに対する敬意を持った演出だと思います」と、今回の衣装はあくまでアニメの衣装をベースにしたものだとしつつ、「女性として、私はメインの女性キャラクターが余計に、もしくは過剰に性的に描かれるというアイディアに抵抗を感じたということは言わなければなりません」と語り、次のように続けた。

 「露出をなくすだとか、そういうことではなく、実際、(オリジナル版の)要素はすべてあります。そのなかで私は、女性によってデザインされ、多くの女性によって制作され、女性によって着用されるようにしたということです。なので、同じ要素はありますが、異なる方法で表れているということです」。

 フェイの衣装の露出を抑えたのには、実用的な理由もあるとして、ジェーンは次のように続けた。「アクションがたくさんありますから。私たちは異なる季節に、長い期間にわたって撮影を行ないました。オークランドで何度も夜に撮影を行ないましたが、ジェットやスパイクはアニメでもより実用的な衣装を着ていたので問題ありませんでした。(フェイにも)それが必要だったのです」。

 アクション映画の世界では、女性のキャラクターは“セクシーさ”を出すために肌を露出してヒールを履いているというような、アクションに不向きな衣装が多く使われてきた。しかし女性を中心にそのおかしさに反論する声が増え、近年はアクションキャラクターとしてふさわしい衣装が少しずつ取り入れられ始めている。

 ちなみに、昔の作品が新たにリメイクされ、女性キャラクターの衣装の露出度が時代に合わせて抑えられたことに批判が寄せられたのは今回が初めてではなく、今年8月に公開された映画『スペース・プレイヤーズ』をめぐっても、前作『スペース・ジャム』と比較してローラ・バニーが“セクシーじゃなくなった”と批判が寄せられたことがあった。

 ローラ・バニーを演じたゼンデイヤはこうした批判を受けて、思い入れが強いキャラクターなだけに変えて欲しくないという意見も分かるとしながらも、新作ではローラのセクシーな衣装よりもスキルの面が「より強調されていると思う」とした。(フロントロウ編集部)

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