グッチ一族の崩壊を描く注目映画『ハウス・オブ・グッチ』
世界を代表するファッションブランドであるグッチ(Gucci)。そのグッチ一族にまつわる暗殺事件の真相を暴く映画『ハウス・オブ・グッチ』が2022年1月14日より日本で公開となる。
アメリカで2020年11月24日に公開となった本作は、オープニング3日間の興行収入が約16億円(1,490万ドル)を記録し、上々な滑り出しを見せている。劇中の衣装や装飾品にはグッチ全面協力のもと調達されたグッチのヴィンテージアイテムが多数使用されているため、グッチのアイテムに関する検索率が最大257%もアップしたという社会現象まで生み出している。
創設者グッチオ・グッチの孫であり、グッチの会長を務めていたマウリツィオ・グッチを『マリッジ・ストーリー』のアダム・ドライバーが演じ、その妻でマウリツィオの殺害をヒットマンに依頼した罪で有罪判決を受けたパトリツィア・レジアニをレディー・ガガが演じる本作。
パトリツィアを演じたガガの演技は、多くの批評家やファンに絶賛されているだけでなく、グッチのクリエイティブ・ディレクターを務めていたデザイナーのトム・フォードまでもが「真のスター」だと称賛。先日行なわれたニューヨーク映画批評家協会賞では最優秀女優賞を受賞し、オスカー受賞にも期待がかかっている。
そんなガガが劇中で披露しているブルネットの髪型には、かなりのこだわりがあることを、長年ガガのヘアを担当しているヘアスタイリストのフレデリック・アスピラスが、ビバリーヒルズのロンドン・ウエスト・ハリウッドで行なわれた上映会で、米THRに明かした。
『ハウス・オブ・グッチ』、レディー・ガガの髪型へのこだわり
実は『ハウス・オブ・グッチ』の監督であるリドリー・スコットは、編集を簡単にするためにガガの髪型は2種類しか使いたくないと思っていたそう。
しかしフレデリック・アスピラスは逆に「いやいや、僕が見せてあげよう」と熱意を燃やし、5か月にわたって1970年代の髪型を徹底的に研究し、450ページにも及ぶ髪型のファイルを作成。イタリア人女性へのインタビュー、パトリツィアを知る地元の人々との会話、70年代の関連ドキュメンタリー番組の視聴、70年代に活躍したイタリア人女優ジーナ・ロロブリジーダの研究など、様々なリサーチを重ねたという。
そして、「レディー・ガガがスクリーンに映っているように見せたくない」というガガ本人たっての願いをもとに完成したのがあの髪型。共演者のジャレッド・レトはあの禿げあがった髪型を作るのに1日6時間費やしていたというが、ガガは毎朝4〜5時間もの時間をかけて髪を整えていたという。
フレデリックは、「彼女(パトリツィア)がぼろ布のような状態から金持ちになったように感じられるように、すべての髪の毛、すべてのかつらに色をつけたんだ」と語り、それらのカツラの値段は1つ約110万円(1万ドル)。まさにフレデリックの努力とお金の結晶といえるカツラになった。劇場で鑑賞する際には、ぜひガガの髪型にも注目してみて。
映画『ハウス・オブ・グッチ』は、2022年1月14日に日本公開。(フロントロウ編集部)