『マトリックス』シリーズでナイオビを演じるジェイダ・ピンケット・スミスが出演を決めた理由は、日本のアニメが大好きだから?

多数のキャストが続投した『マトリックス』最新作

 そのストーリーや映像で、世紀末の1999年に世界に衝撃を与えた革新的な映画『マトリックス』。その後2003年に2作目と3作目が公開され、それから18年が経った2021年、ふたたび仮想現実が世界を襲う…。

 2021年12月17日に公開される『マトリックス レザレクションズ』では、ラナ・ウォシャウスキー監督、そしてメインキャストのキアヌ・リーブスとキャリー=アン・モスが続投。

 人気キャラクターのモーフィアスとエージェント・スミスは、本作ではヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世とジョナサン・グロフが演じるが、ナイオビ役のジェイダ・ピンケット・スミスやメロヴィンジアン役のランベール・ウィルソンもカムバック。

 ファンにとってはたまらない新作となっている。


ジェイダ・ピンケット・スミスがナイオビ役を受けた理由

 そんな『マトリックス』シリーズといえば、当初はウィル・スミスにネオ役がオファーされていたことは有名。その場合にはモーフィアス役にヴァル・キルマーが考えられていたことから、ローレンス・フィッシュバーンが演じたモーフィアスが完璧だと思っているというウィルは、ネオ役を断って良かったと考えていることを過去に明かしている。

 そして、彼のおかげでシリーズに出演を果たした俳優は他にも。それはもちろん、ウィルの妻であり、ナイオビを演じたジェイダ。2作目の『マトリックス リローデッド』からシリーズに出演するジェイダは、ウィルが『マトリックス』のストーリーボードをもらってきた時から、本作に惚れ込んだという。

画像: ジェイダ・ピンケット・スミスがナイオビ役を受けた理由

 というのも、『マトリックス』に日本のアニメの要素を感じたからだそう。ジェイダが米EWに、当時の思いを振り返った。

 「制作陣がウィルをネオ役にって思っていたとき、ストーリーボードをもらったの。私は、『ねぇ。これは本当に革新的だよ。日本のアニメの実写みたいな感じじゃない』って言った。そういう作品はそれまでになかったからね。私は日本のアニメーションが大好きだから、それ以降、制作陣は私の心を持っていった。ナイオビを演じてほしいと電話がかかってきた時、(脚本など)何も読む必要はなかった。私は参加を決めた」

 “日本のアニメの実写みたいな感じ”という表現は、日本のアニメに馴染みがあり、『マトリックス』を見たことがある人なら心に刺さるものだろう。

 カメラワーク、キャラクターの動き、アクション、画面の構図。ウォシャウスキー監督の才能は、それまでに実写では表現しきれてこなかった想像の世界を、ファンが求めるほどの高いレベルで実写映像化した。脚本の段階でその雰囲気を読み取ったジェイダが、その後2作目以降に出演を打診され、断るはずはなかった。

 ちなみに、『マトリックス レザレクションズ』からは、日本の新幹線を舞台にアクションが繰り広げられる映像がすでに公開されており、日本の要素が増えることを感じさせる。また、『レザレクションズ』で脚本に携わった作家のデイヴィッド・ミッチェルは、日本に約10年住んでいた過去もあり、日本のベストセラーエッセイ『自閉症の僕が跳びはねる理由』の翻訳も手掛けた経歴を持つ。

 『マトリックス レザレクションズ』でも、日本のアニメーション好きが興奮する映像が見られることになる。

(フロントロウ編集部)

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