映画史に残る『スパイダーマン』キスシーンのロマンチックじゃない裏側
サム・ライミ監督がメガホンを取った映画『スパイダーマン』シリーズで初代MJを演じた俳優のキルスティン・ダンストが、スパイダーマン役のトビー・マグワイアが逆さまにぶら下がった状態でMJと口づけを交わす、“逆さ吊りキス”のちっともロマンチックじゃない裏側を米W Magazineのインタビューで明かした。
“逆さ吊りキス”は映画史に残るキスシーンとして知られるが、撮影時にはそこまで有名になるとは思っていなかったそうで、とにかく大変だった記憶しかないとキルスティンは話す。
「有名なキスになるという感じはしませんでした。トビーの鼻の穴に雨水が入って(溺れたような状態になって)しまって、おまけにスパイダーマンのスーツを着ていたから息ができなくなってしまったんです。ずいぶんと夜遅くまでやっていたような気がします。(ロマンチックなシーンだと言われることが多いけど)私にはそういう発想はありませんでした」
実際、サム・ライミ監督も以前別のインタビューで、「(撮影当時、雨が降っていたため)鼻の穴に水が落ちてきて、なんだか溺れているようだったのを覚えています。キスシーンということもあって、彼はそれが楽しくて甘い瞬間であるかのように装わなければなりませんでしたが、実際には半溺死状態でした」と証言していた。
ちなみに、キルスティンは、参考資料として事前にサム・ライミ監督から有名なキスシーンを集めた本を渡されていたそうで、監督が例のキスシーンをロマンチックで特別なものしたいと思っていることはわかっていたというが、トビーが逆さ吊りになっている状態では、そのように感じるのは難しかったと語っている。ただ、自分がアイコニックなキスシーンの一部になれたことは誇りに思っているといい、「自分がその一部であることを誇りに思います。(完成した映画では)素晴らしいキスに見えました」と付け加えた。(フロントロウ編集部)