俳優のジェシカ・チャステインが、自身の過酷な育ちを明かした。(フロントロウ編集部)

貧困家庭で育ったジェシカ・チャステイン

 2011年の映画『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』でアカデミー賞助演女優賞に、2012年の『ゼロ・ダーク・サーティ』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたジェシカ・チャステインは、女性アンサンブルによる本格スパイ・アクション映画『355』で制作も務め、活動の幅を広げている。

 超名門大学のジュリアード音楽院出身で、順調にキャリアを築いてきたジェシカ。しかしその生い立ちは過酷なものだった。英The Timesのインタビューでジェシカは、「みなさんは私に対して、実際とは異なる生い立ちを想像していると思います」と話す。

 4人の兄弟姉妹を持つジェシカは、彼女の母親が16歳の頃に生まれた。彼女の母親はシングルマザーで、彼女の家庭は貧困状態だったと言える。ジェシカは2017年にIrish Timesで、夜ごはんを食べずに寝なくてはならないこともたくさんあったと明かしている。

 「私には反抗的な側面があります。多くの恨みを抱えて育ちましたから。だって、私たちには物がなかったですから。食料さえも」

画像: 貧困家庭で育ったジェシカ・チャステイン

 英The Timesのインタビューで強い思いを口にする彼女は、女性の権利のために活動してきた。ジェシカの芯の通った性格のルーツは、ここにあるのだろうか。

 そして、日々の食事にさえ困っていたジェシカは、もちろん演技のクラスを受けるお金もなかった。そんな彼女を支えたのは、周囲の大人たちだった。演技のクラスを開講している学校がジェシカを雇い、それによってジェシカはクラスに参加することができたという。


ジェシカの人生に選択肢を与えた慈善活動

 また、彼女の人生で大きな役割を担ったのが、人工妊娠中絶から避妊薬の処方や乳がん検査まで多くの医療サービスを提供しているNGO団体Planned Parenthood(プランド・ペアレントフッド)。

 これまでにもフロントロウで、俳優のダコタ・ジョンソンやシンガーのマイリー・サイラスが同団体を支援していることを伝えてきたが、ジェシカはこの団体にお世話になった当人。

 「私は、家族のなかで17歳で妊娠していなかった初めての人物。それは私の人生に素晴らしい影響を与えました。なぜなら、私に選択肢を与えてくれたから」と、ジェシカはその人生を振り返る。

画像: ジェシカの人生に選択肢を与えた慈善活動

 その後ジェシカは、奨学金を得たことによってジュリアード音楽院に進学できた。その奨学金は、『アラジン』のジーニーの声や『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』などで知られる故ロビン・ウィリアムズが立ち上げたもの。

 だからこそジェシカは、すべての人に公平な機会が与えられる社会を求めていると語った。

 「そういう環境で生まれ育ったから、それがどのようなものか分かります。そしてそれは私に怒りを覚えさせます。誰も否定されてほしくない。その声も、存在を知られることも、認められることも、そして価値を認められることも」

 現在は、社会を良くするために行動できる立場になったジェシカ。Planned Parenthoodはもちろんのこと、コロナ禍でヘルスケアワーカーたちに食事を提供するなど、様々なチャリティ活動を続けているほか、女性のレプリゼンテーションを高めるために、2月4日に全国公開となる映画『335』の製作総指揮となるなど、力強く活動している。

(フロントロウ編集部)

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