色も企業秘密、オスカーのレッドカーペット
ハリウッドのドルビー・シアター(※)に敷かれるアカデミー賞のレッドカーペットは、全長約150メートルという長さ。総重量約280キロとも言われるカーペットはいくつもの大きなロールの状態で会場に運び込まれ、15人以上の専門スタッフによって半日以上をかけて会場に設置される。
ちなみに“レッドカーペット”と呼ばれるが、実際の色はバーガンディに近い。“アカデミー・レッド”と呼ばれるこの色はアカデミー賞のために特注された色で、写真や映像に映る俳優などを引き立たせる効果があると言われている。この色の出し方は門外不出なのだそうで、アカデミー賞の到着式とプレショーイベントのクルーであるジョー・ルイス氏も、「アカデミー賞をアカデミー賞たらしめているものは、独占されるべきものなのです」と米Los Angeles Timesに語った。
※新型コロナウイルスのパンデミックの影響で2020年は別会場で開催された。
アカデミー賞のレカペを歩くのはどんな感じ?
そんなアカデミー賞のレッドカーペットには、じつは「上座」と「下座」がある。
アカデミー賞に出席する数百人のなかには、俳優や監督といった著名人もいれば、配給会社の関係者やスポンサー、広報担当者といった非著名人もいる。そのすべてが同じレッドカーペットを歩くのだが、著名人と非著名人がごっちゃになってフォトコールや取材現場がパニックにならないように、レッドカーペット上はセクションごとにロープで区切られており、レッドカーペットにおいてより大事な存在である著名人はそのロープの片側を、そうではない非著名人は反対側を歩く。つまり日本で言う、上座と下座があるということ。
ちなみに生放送ではわかりにくいかもしれないが、レッドカーペット上は非常にうるさい。あちこちで起きている取材の話し声、セレブの目線をもらうために「中央を見て!」「左側!」とシャウトするカメラマンたち、そして「止まらないで!」「進んでください!」と叫ぶセキュリティ。そんな異様な空気もアワードの醍醐味なのだ。(フロントロウ編集部)