第94回アカデミー賞授賞式に、空いた座席の穴を埋めるための「席埋め係」としてボランティアで参加した記者が、授賞式に参加するための準備費用として自腹で支払った金額を明らかにした。(フロントロウ編集部)

授賞式で空いた席を埋めるボランティア「席埋め係」

 現地時間3月27日に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで第94回アカデミー賞授賞式が開催されて、ろう者のストーリーを伝えた『コーダ あいのうた』が今年の作品賞を受賞。映画『ドライブ・マイ・カー』が日本映画としては13年ぶりに国際長編映画賞を受賞し、こちらも大きな話題になった。

画像: 今年の作品賞を受賞した『コーダ あいのうた』のキャストたち。(左から)エウジェニオ・ダーベス、監督・脚本のシアン・ヘダー、マーリー・マトリン、助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァー、エミリア・ジョーンズ、ダニエル・デュラント、エイミー・フォーサイス。

今年の作品賞を受賞した『コーダ あいのうた』のキャストたち。(左から)エウジェニオ・ダーベス、監督・脚本のシアン・ヘダー、マーリー・マトリン、助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァー、エミリア・ジョーンズ、ダニエル・デュラント、エイミー・フォーサイス。

 ところで、アカデミー賞などの授賞式の客席には、ノミネートされている俳優や映画のスタッフたちに交じって、一般の観客も一緒に座っていることをご存知だろうか?

 彼らは、英語では“seat filler”と呼ばれる「席埋め係」というボランティアで、出席者のセレブが席を立った際に、空席が目立たないようにそこに座る係。この仕事は無給のボランティアなのだが、憧れのセレブたちと一緒にアカデミー賞に参加できるということで、志願する人は数多い。

 米Insiderで記者を務めるテイラー・シモーネ・ミッチェル氏も、今年のアカデミー賞授賞式に席埋め係として参加した1人。例年と同じく今年も席埋め係は無給だったのだが、ミッチェル氏は出席するための準備費用として、出費がかさんだという。

 アカデミー賞授賞式といえば、参加する誰しもが1年の中でもファッションやメイクに特に気合を入れて参加するイベントで、ボランティアとはいっても、席埋め係もショーの華やかな雰囲気を構成する1人。ミッチェル氏はアカデミー賞に見合った格好で当日を迎えるために、服や靴を新調したほか、美容院にも行ったそう。

 ミッチェル氏は、アカデミー賞に出席するために148ドルでドレスを、44.09ドルで靴を新調。170ドルを払って美容院でヘアスタイルを整えて、メイクを完璧にするために160ドルでメイクアップアーティストにメイクを依頼。63.94ドルでジュエリーを購入し、25.99ドルでバッグも購入。さらに、142ドルでネイルも整えたという。

 最終的にミッチェル氏が諸々の準備のために支払った合計金額は、754.02ドル(およそ8万3,000円)。仕事のために必要な準備を自腹で整えると考えれば、かなり高めの出費だが、アカデミー賞という滅多に行けない場に行けることを考慮すれば、そこまで痛い出費ではないのか? せめて、ミッチェル氏はこの出費をすることにしたよう。(フロントロウ) 

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