ジョニー・デップの元エージェント、元ビジネス・マネージャー、そして約40年来の知人が、彼のプライベートやキャリアの混乱を裁判で証言した。(フロントロウ編集部)

「仕事を取るのが難しくなって…」(エージェント)

 俳優のジョニー・デップが元妻であり俳優のアンバー・ハードを名誉棄損で訴えている裁判で、事前に記録された、ジョニーのことをよく知る人々の証言が法廷で明かされた。

画像: 「仕事を取るのが難しくなって…」(エージェント)

 2016年にジョニーに解雇されるまで約30年にわたりジョニーのエージェントを務めたトレイシー・ジェイコブスは、2016年までの数年間、ジョニーは「ほぼすべての映画で一貫して撮影現場に遅刻してきました」と証言。「行動を変えなくてはいけない。これはあなたを傷つけることになる」とジョニーに忠告したものの、彼が変えなかったため「実際にそうなりました」と、ジョニーの行動がキャリアを傷つけたと明言した。

 「最初はクルーも彼のことを好きになるんです。彼はいつもスタッフと気が合っていましたから。でも、スタッフだって、何時間も何時間も座ってスターが現れるのを待つのは好きではありません」と語ったジェイコブス氏。ジョニーの撮影現場での問題行動は業界中に広まっていたとして、「小さなコミュニティなので、みんなウワサ話をするのです。そして、みんな彼を使うのを嫌がるようになりました」と振り返り、「仕事を取るのが難しくなってしまい、そのせいで彼のスター性は輝きを失ってしまったのです」と続けた。

 今回の名誉棄損裁判の焦点は、2018年に米Washington Postに掲載されたアンバーの論説がジョニーの名誉を傷つけてそれが彼のキャリアダウンに繋がったかどうか。アンバー側は論説のあるなしに関係なく、ジョニーのキャリアダウンは彼自身の行動のせいで起こっていたと主張しているため、今回の証言はジョニー側には痛手とされている。一方、ジョニー側は、ジェイコブス氏は“解雇されたことを不満に思っている人物”だと主張している。

「会話をするのが難しい時期の増加に繋がっていった」(マネージャー)

 その後、ジョニーの元ビジネス・マネージャーであるジョエル・マンデルの証言が明かされ、ここでマンデル氏は、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』の大ヒット以降にジョニーのお金遣いのレベルが変わったことを証言。

画像: 「会話をするのが難しい時期の増加に繋がっていった」(マネージャー)

 「支出レベルは非常に、非常に、非常に大きくなっており、そのレベルを維持するために信じられないほどの高収入を必要としていました」と語ったマンデル氏は、「そして、それ(収入)が落ちると、防ぐことができない断絶が起きてしまうのです」と、収入と支出のバランスが取れていなかったと語り、ビジネス・マネージャーとして忠告したことがあったが、最終的に改善されなかったとした。

 さらにマンゼル氏は、ジョニーの様子が2010年頃から変わったとも証言。「アルコールや薬物の問題があることが明らかでした」としたマンデル氏は、「それは、より予測できない行動や、ストレスの多い行動につながり、私が自分の仕事をまっとうするのに必要な会話をするのが難しい時期の増加に繋がっていったのです」と、ジョニーのアルコールとドラッグ問題に言及した。

 ただ、ジョニーに依存症を克服する気持ちはあったことを認め、ある時期には、禁酒の治療に月に10万ドル(約1,300万円)を使っていたと証言。一方で、処方薬に月に数千ドルを使っていた時期もあったという。

 ジョニーは2016年にマンゼル氏を解雇したあと、マンゼル氏側に資産管理ミスがあったとして提訴。一方のマンゼル氏側は、財政難の原因はジョニーの散財のせいだとして逆提訴。結果的にこの件は示談となったが、示談の内容は明らかにされていない。今回の裁判の冒頭では、ジョニーが財務監査のために雇ったエドワード・ホワイトという人物も証言を行なっているが、この人物は、16万ドル(約2,000万円)に膨れ上がったワイン代はアンバーが使ったものであると述べている。

「アンバーとは関係がない、根深い問題があった」(40年来の知人)

 ジョニーとは40年来の交流があったミュージシャンのブルース・ウィトキンは、ジョニーの嫉妬心に言及。アンバーが「どこかの男性」と撮影を行なっていたり、「何が起きているか見えない」状況にいたりすると、嫉妬心に火がつくことがあり、「彼は考えすぎて感情的になっているようでした」と語った。さらに、ジョニーはアンバーとの関係が「なぜうまくいかないんだ?」とイライラを募らせている様子だったという。

 それぞれが暴力を振るう現場を見たことはないものの、アンバーの腕のあざ、ジョニーのくちびるの腫れを目撃したことはあるとしたウィトキン氏は、ジョニーのドラッグ依存にも言及。ジョニーがドラッグ依存を克服できるようにセラピストを紹介しようとしたこともあるそうで、「彼は『自分はきっと大丈夫だよ。きっと大丈夫』と言っていました。私は『でも、君は大丈夫じゃないよね』と言いました」と証言。ジョニーも薬物を絶つ試みはしたそうだが、続かなかったそうで、ウィトキン氏は、「少しはやりましたが、やめていました。問題の根っこには、アンバーとは関係がない、根深い問題があったので。あくまで私の意見ですが」とした。

 ウィトキン氏はジョニーが1983年~1985年に結婚していた最初の妻ロリ・アン・アリソンと義理のきょうだい関係にあり、ジョニーのことを若い頃から知る人物。しかし2017年の別の裁判で、ジョニーの薬物とアルコールの使用について供述した結果、ジョニーから縁を切られたと主張している。

 
(フロントロウ編集部)

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