Photo:ゲッティイメージズ、©︎Justin Bieber/Instagram
シンガーのジャスティン・ビーバーが、米連邦最高裁が「中絶の権利を認めない判断」を下したことに苦言を呈した。(フロントロウ編集部)

ジャスティン・ビーバーが「中絶の権利を認めない判断」に物申す

 「Baby(ベイビー)」や「Sorry(ソーリー)」などのヒット曲で知られるシンガーのジャスティン・ビーバーが、現地時間6月24日、米連邦最高裁が女性の人工妊娠中絶を認めた1973年の「ロー対ウェイド」の判決を覆す決定を下したことを受けて、“女性には自分の体の自己決定権がある”とインスタグラムのストーリーを通じて訴えた。

 「これを言うことにどれだけの効果があるかわかりませんが、自分の体のことは女性が自分で選べるべきだと思います」

画像: ©︎Justin Bieber /Instagram

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 モデルのヘイリー・ビーバーと結婚しているジャスティンは、「早く父親になりたい」と公言する一方、妊娠・出産は女性の体への負担も大きいことから、過去に米トーク番組『エレンの部屋』で子作りの話に及んだ際に「ヘイリーの体なので、彼女がしたいようにするべきです」と答えるなど、ヘイリーの意思や選択を尊重する姿勢を見せている。また、将来的に欲しい子どもの人数についても、「ヘイリーが産みたい数だけ」としている。

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 米最高裁が今回の判断を下した直後、真っ先に「ワオ…。言葉を失いました。計り知れないほどの喪失感と失望感に駆られています」と反応を示していたヘイリーも、先ほどのジャスティンの投稿をインスタグラムのストーリーでシェアして賛同している。

画像: ©︎Hailey Bieber /Instagram

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 ジャスティンが「女性が選べるべき」と言ったように、子どもを産むか産まないか/いつ何人の子どもを産むかを自分で決められることに加え、妊娠・出産・中絶に関して十分や情報やケアを得られる権利であるリプロダクティブ・ライツ(生殖の権利)は、すべての女性にあるべき基本的人権。アメリカで起きている中絶の違法化はリプロダクティブ・ライツという基本的人権の侵害に他ならない。

 ここ日本でも、低用量ピル・IUD(子宮内避妊具)・緊急避妊薬の入手が容易でないこと、世界70ヵ国以上で認可・使用されている中絶薬が認可されていないうえ自己堕胎罪があること、人工妊娠中絶の手術を受けるときに配偶者の同意が原則求められること、といったリプロダクティブ・ライツ侵害が起きており、国連からも、性教育の強化、刑法の堕胎罪や配偶者の同意条件の撤廃をするべきだという勧告を受けている。

 現在のアメリカの最高裁は6対3で保守派に偏っており、その判事を選んだのは選挙によって選ばれたリーダーたち。アメリカで今起きていることは、投票という行為が巡り巡ってどれだけ国民の生活だけでなく権利にまで影響を与えるかをあらわしている。この件は、自国のリプロダクティブ・ライツの制度に目を向けて、適切な変化を起こしてくれるリーダーを選ぶきっかけにするべきではないだろうか。(フロントロウ編集部)

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