ミッキーマウスの著作権がもうすぐ切れる!?
ディズニーが、同社のマスコットとして知られるミッキーマウスを含む人気キャラクターの独占権を失う危機に直面している。アメリカの著作権法では、無名著作物または変名著作物が保護を受けられる期間は95年とされており、1928年11月にスクリーンデビューしたミッキーマウスは2024年1月からパブリックドメインになる。
ただし、著作権の期限が切れても適用される制限がある。 「(パブリックドメインになると)オリジナルのままのミッキーマウスを使って自分だけのミッキーマウスの物語を作ったり、ミッキーマウスを用いた物語を作ることができます。しかし、見た人がディズニーを連想するようなかたちでそれを行なった場合、理論上、ディズニーは著作権を侵害されたと主張することができます。彼ら(ディズニー)はこのキャラクターに長いあいだ投資してきましたから、(人々がミッキーマウスを見てディズニーを思い浮かべることは)容易に起こり得ることです」。英The Guardianにこう語ったのは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の法科大学院のドキュメンタリー・フィルム・リーガル・クリニックでアソシエイト・ディレクターを務めるダニエル・マエダ氏。
現在のミッキーマウスはデビュー作の『蒸気船ウィリー』のときと比べて姿が変わっているが、マエダ氏によると、著作権が消滅するのは『蒸気船ウィリー』なので、使えるようになるのは“『蒸気船ウィリー』版のミッキーマウス”だという。また、「ミッキーマウス」という名前はディズニーの商標登録なので、当然、その名前を使用することはできない。ミッキーマウスの他の映像作品やアートワークについても、95年の節目を迎えるまではディズニーが著作権を維持する。
ご存じの方も多いと思うが、『くまのプーさん』はミッキーマウスよりもひと足先にパブリックドメインになっており、プーさんの覆面を被った殺人鬼が登場する映画『Winnie the Pooh: Blood and Honey(原題)』が近日公開予定となっている。
Pooh is back ... and he brought a mallet. https://t.co/K83StYXH57
— Dread Central (@DreadCentral) May 24, 2022
一般にディズニー・ブランドとして認識されているキャラクターの特定の部分は、今後も制限されるため、『Winnie the Pooh: Blood and Honey』でメガホンを取ったリース・フレイク=ウォーターフィールド監督のように旧来のキャラクターを基に新しい作品を作る際には、一線を越えないように注意する必要がある。先にも言ったように、特定の作品がディズニーと関係があると一般に誤解された場合、重大な法的結果を招く可能性があるからだ。
「著作権には期限がありますが、商標はそうではありません。つまり、ディズニーは、言葉、フレーズ、キャラクターなど、さまざまなものを商標として使い続けるかぎり、基本的に永久に商標権を持ち続けることができるのです」と、マエダ氏は説明している。(フロントロウ編集部)