アンバー・ハードの無効審理請求を判事が却下
ジョニー・デップとの名誉毀損裁判に敗訴したアンバー・ハードが、評決の破棄と裁判のやり直しを求めていた件で、判事がアンバー側の申し立てを却下。陪審員に「不正・不当行為の証拠はない」との見方を示した。
ご存じの方も多いと思うが、ジョニーが元妻のアンバーを名誉毀損で訴えた裁判で、陪審員たちはアンバーが2018年に米Washington Postに寄稿した論説が名誉毀損にあたると判断し、アンバーに合計で1,500万ドル(約19.5億円)の賠償金をジョニーに支払うよう命じた。また、アンバーもジョニーへの反訴で200万ドル(約2.6億円)の賠償金を勝ち取った。
その後、アンバーの弁護団は、陪審員がアンバーに下した賠償金1,000万ドルは、彼女とジョニーの両方が互いに名誉を傷つけたという陪審員の結論と「矛盾しており、両立しがたい」ものだと反論すると同時に、陪審員のひとりについて、裁判所の記録には「1945年生まれ」と書かれていたにもかかわらず、公開された情報では「1970年生まれ」になっていたことから召喚状を受け取った人物とは別人に入れ替わった可能性があるとして、評決の無効を主張していた。
今回の判断について、バージニア州フェアファクス郡裁判所のペニー・アズカラテ判事は、米Law & Crime Networkが公開した裁判資料のなかで、問題の陪審員は書類に嘘を書いたことはなく、他の陪審員と同様に「十分な審査」が行われ、アンバーとジョニー、双方の弁護団が「丸一日かけて陪審員団に質問し、陪審員団を容認すると裁判所に伝えた」と述べている。
また、アンバーの弁護団が評決後の今、このタイミングで異議を唱えたことについて、判事は、アンバーはこの問題を知っていたあるいは知っているべきで、異議を唱える機会は約7週間にわたる裁判の期間中にいくらでもあったと主張。「当事者は、裁判が始まったときから知られている問題について、不利な評決を受けるまで、異議を唱えることを待つことはできません。この問題はすでに放棄されています」と資料には書かれていた。
さらに、判事は「被告は、15番の陪審員が陪審員団に含まれたことによって、具体的にどのような不利益を被ったのか明確にしていません。その陪審員は厳正な審査によって選ばれ、陪審員の席に座って審議を行ない、評決に達しました。当裁判所に提出された唯一の証拠は、この陪審員およびすべての陪審員がその宣誓、裁判所の指示および命令に従ったということです」と付け加えている。(フロントロウ編集部)