※この記事には、『ストレンジャー・シングス』シーズン4のネタバレが含まれます。
注目が集まっていたウィルのセクシャリティ
最終章直前となるシーズン4までが配信開始となったNetflixドラマ『ストレンジャー・シングス』では、イレブンの過去や裏側の世界の秘密などが徐々に明らかになったが、ノア・シュナップが演じるウィルのセクシャリティにも注目が集まっていた。
ウィルのセクシャリティについては、シーズン3でウィルとマイクがケンカをするシーンで、怒ったマイクが「It's not my fault you don't like girls!(君が女の子を好きじゃないのは僕の責任じゃない!)」と言ったことから、もしかしたらウィルはゲイなのではないかという予想が出ていたが、このシーンは子どもの頃から仲の良かった4人組のまま遊んでいたいというウィルと、彼女が出来たマイクの思春期の成長が描かれたものだと感じた視聴者も多い。また、エグゼクティブプロデューサーであるショーン・レヴィも、米EWのインタビューで、「あれは性的指向を指すものではありません」としている。
しかしシーズン4の第1話で、転校先の高校で歴史上の英雄に関するプレゼンテーションという課題を出されたウィルが選んだ歴史的人物が、イギリスの数学者であり暗号研究者、そして1952年にゲイとして逮捕されたアラン・チューリングだったことから、ウィルのセクシャリティにふたたび注目が集まった。
ノア・シュナップ、ウィルはゲイだと明言
シーズン4のVol.1が公開されていた時点では、この話題についてスタッフやキャストが明言することはなかったが、Vol.2が公開されたことで、ついにノアが口を開いた。そして彼は、ウィルはゲイであり、マイクのことが好きだと話した! 米Varietyのインタビューで語った。
「シーズン1でヒントはありました。いつでもあったと思います。でも、これは彼がただ友達よりもゆっくり成長しているということなのか?と、本当のところは分からなかった。しかし今、彼は成長して、スタッフは非常にリアルで明らかなことにしました。彼がゲイであり、マイクを好きなことは100%明らかです。しかしそれまでは、ゆっくりなものでした。すごく綺麗に出来上がったと思います。なぜなら、キャラクターを突然ゲイにすることは簡単ですから。
僕がパリにいた時に、40歳くらいの男性が僕のところへ来て、『ワォ。このウィルというキャラクターにはとても良い気持ちがする。そして僕は彼にとても共感できる。あれは本当に僕が子どもの頃のようなんだ』と言ってくれました。それを聞いて本当に幸せでした。スタッフはこのリアルなキャラクターと、リアルな旅、リアルな苦しみを書いていて、本当に上手くやっている」
劇中でウィルや、ウィルの兄であるジョナサンがゲイという単語を使うことはなかったが、ウィルがマイクの恋愛相談に乗って、マイクへの思いを語るシーンや、その様子を見ていたジョナサンが悩む弟に愛のある言葉を伝えて抱きしめるシーンから、ウィルのセクシャリティはほぼ明らかとなった。ノアによると、ジョナサンがウィルを抱きしめるシーンは、撮影中に後からつけ足されたものだったそう。
「あのシーンは元々脚本になかったんです。車の中で僕が泣いて、バックミラー越しにそれを見ているジョナサンの保護者のような愛情を、スタッフが見るまで。スタッフは、これについてのシーンが必要だってなっていました。そこで撮影中にあのシーンを書いたんです。
ウィルは1人きりではないことを視聴者が見るのは非常に重要です。それまでは僕たちが見ていたのは、ウィルが苦しみ、落ち込んで、自分自身でいられなくなっているところでしたから。ジョナサンは明言せずに話していました。ウィルみたいな人物に、ジョナサンはウィルのことを気にかけていて、何があってもウィルを受け入れると話すには完璧な方法です。あれはすごく健全だと思います」
物語のなかに最初から同性愛者であることを自覚しているキャラクターがいることは増えているが、だんだんと自分のセクシャリティを理解していく様子を描けたのは、シーズン1で幼い子どもたちを主人公にし、2016年から続く『ストレンジャー・シングス』だからこそだろう。
(フロントロウ編集部)