Netflixのドラマ『ハートストッパー』でニックを演じる若手俳優のキット・コナーが、一部のファンの行き過ぎた詮索行為によって、自身のセクシュアリティをカミングアウトすることを余儀なくされた。(フロントロウ編集部)

キット・コナーはカミングアウトを“強要”された

 LGBTQ+をテーマのひとつに据えるNetflixのドラマ『HEARTSTOPPER ハートストッパー』(以下『ハートストッパー』)にニック役で出演するキット・コナーが、バイセクシュアルであることをカミングアウトした。しかし、それは本人の意思によるものではなかった。

 以下、キットのコメント。 

 「(ツイッターに)一時的に戻ってきました。僕はバイです。18歳にカミングアウトを強要するとはなんとおめでたいことなんでしょう。ドラマの趣旨をちゃんと理解していない人がいるみたいですね。では」

 カミングアウトを“強要された”とは一体どういうことなのか? 

 劇中でジョー・ロック扮するチャーリーと心を通わせるニックを演じるキットは、ここ数ヵ月、ソーシャルメディア上でセクシュアリティを含むさまざまな詮索を受けており、この約2ヵ月前、プライベートで女性と手をつないでいたという目撃情報が出回り、一部のファンから「クィアベイティング」だと非難されるという出来事もあった。なお、この出来事があった直後、キットは「ツイッターをやめる」と宣言し、それ以来更新が途絶えていた。

画像: キット・コナーはカミングアウトを“強要”された

 キットのセクシュアリティに関する憶測が異常なまでに加熱していることに、チャーリー役のジョーが、「質問をするのは自由ですが、だからといって、他人のプライベートをすべて知る権利が与えられるわけではないと思います。ドラマに出ているからといって、自分の人生をネットにばら撒かれることを望んでいるわけではありません」と英Attitudeのインタビューで苦言を呈したこともあったが、一部のファンによる行き過ぎた詮索行為はキットがツイッターから離れてもなお続いた。

ドラマ関係者やファンがサポートを表明

 今回のことを受けて、『ハートストッパー』の原作者で、ドラマの脚本家とショーランナーも務めるアリス・オズマン氏は、「『ハートストッパー』を見たにもかかわらず、嬉々として他人のセクシュアリティに関する憶測に明け暮れ、ステレオタイプで判断する人たちの気持ちが理解できません。その人たちが、今信じられないくらい(自分がしたことを)恥ずかしく思っていることを願います。キット、あなたは素晴らしいです」とコメント。

 また、『ハートストッパー』でベンを演じるセバスチャン・クロフトも、「キット・コナー、世界は君にふさわしくない。友よ、愛してる」とサポートを表明。ダーシーを演じるキジー・エッジェルも、「キット、あなたのことを愛してる。あなたがものすごくツラい思いをしていることを申し訳なく思う。あなたは不当な扱いを受けている」と擁護した。

 ファンからも、「『ハートストッパー』はとても温かく愛に満ちた作品だけど、このファンダムは有害すぎる。悲しいし、残念に思う」、「キット・コナーがクィアベイティングをしていると非難した人たち、そして彼のセクシュアリティを詮索しまくった人たちへ、おとといきやがれ!」など、キットの置かれた状況を嘆く声が相次いでいる。

追記:『ハートストッパー』でチャーリーを演じるジョーも、キットのツイートに「君は何の義務も負う必要はない。友よ、君のことをとても誇りに思う」というコメントを残している。

(フロントロウ編集部)

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