※この記事には、ドラマ『ウォーキング・デッド』シーズン11第24話のネタバレが含まれます。
キャロル役メリッサ・マクブライドの思い
ついに、その12年の歴史が完結したドラマ『ウォーキング・デッド』。2010年からスタートした本作には多くのキャラクターが登場し、命を落としたり、卒業したり、はたまたカムバックしたりしてきた。しかし、メリッサ・マクブライドが演じるキャロルと、ノーマン・リーダスが演じるダリルはシーズン1から長きにわたって登場し、多くのファンから愛されてきた。
2人の友情は非常に人気が高く、当初は2人が主人公のスピンオフドラマの制作も決定していたが、メリッサが撮影に参加できなくなってしまったために、ダリルの単独作品となることに。つまり、オリジナルシリーズの最終回が2人にとって最後の共演になってしまった。
そのため、キャロルとダリルが湖のほとりで話すシーンや、ダリルが旅に出るシーンは、メリッサとノーマンにとっても辛いものだったという。米EWのインタビューでメリッサは、「湖のほとりでノーマンと一緒に撮影するのは、自分にとってシリーズの中で最も困難なことでした。あの時は、明らかにキャロルとメリッサが共にいた」とし、2人の友情を称えた。
「あのベンチに座り、ノーマンが私の横に座った時、それで気持ちはいっぱいになりました。私は...、自分の感情に飲み込まれていたことが分かった。その事実と闘うことは失敗となっていたはずです。正直にならなければいけなかった。あれはキャロルとダリルであり、私とノーマンだった。そして私は両方を恋しく思います。あれは友情と信頼についての美しいシーンです」
また、ダリルとキャロルがお互いに「愛してる」と言うシーンは、リハーサルなしで何個かのテイクを撮影したという。
「ノーマンと一緒に演技をするうえで好きなことが、私たちはリハーサルをしないということです。あのシーンでもそうでした。各テイクは少しずつ違っていました。あれは、2人がお互いに話す最後の言葉です。あの最後のシーンでは、ダリルがキャロルに愛していると伝える思慮深さにと、そう言った時の彼の静けさに感動しました。そして彼女は、その後に続く旅のために、その言葉の重みを取り除き、軽く、遊びのように彼に返そうとしているように見える。2人を覚えておくには良い方法です。お互いに支えあっている」
ダリル役ノーマン・リーダスの思い
そしてノーマンも撮影について、「とても感動的な日でした。セリフよりも、その奥にある意味のほうが重かった。すごかったです。現実の人生が、物語と交わることというのはあります。そしてあの日はとても重い1日だった。お葬式のように感じました。セットは静かで、大変な1日だった。悲しく、とても重かった」と振り返る。
彼もまた、ダリルとキャロルのシーンは、ノーマンとメリッサ自身になっていたと思っているそうで、「あれはノーマンとメリッサでした。実際の人生においても親しい誰かにさようならを言う時、そしてさようならを言う2人のキャラクターを演じている時、それは本当にリアルなものになります」と語った。
ちなみに、ダリルが最後に追い越したウォーカーを演じているのは、じつは監督のグレゴリー・ニコテロ。ダリルを見送る視線を見せていたのが監督だったと知ると、感動に拍車がかかるが、ノーマンはこんな面白い裏話も明かしている。
「彼は私が(シーズン1で)初めて見たゾンビだったので、彼がドラマで見た最後のゾンビにもなったことは良いですね。グレッグがゾンビの恰好をして監督していたのは面白かった。終わったらすぐにメイクを落とせるわけではないので、ゾンビとして監督を続けていましたよ」
『ウォーキング・デッド』最終回には、カール役のチャンドラー・リッグスもエキストラとして、別人のフリをしてカメオ出演している。12年続いたドラマの最終回は、何度か見返したい作品に仕上がっている。
(フロントロウ編集部)