85歳のジェーン・フォンダが伝えたいこと
1937年生まれのジェーン・フォンダは、現在85歳。7度のアカデミー賞ノミネートと、映画『コールガール』と『帰郷』で2度の受賞を誇る彼女だが、苦労もしてきた。
社会問題のために闘ってきたことで知られるジェーンは、70年代にベトナム戦争反対運動で逮捕されたり、CIAやFBIにマークされたりした。そして2019年には気候変動行動への対策の重要性を訴えるデモに毎週金曜日に参加し、4週連続で逮捕された。
また、父で俳優のヘンリー・フォンダと確執があったことは有名。2010年には乳がんを、2018年には下唇から悪性黒色腫になる前のがん細胞の除去を経験。そして今年9月に、非ホジキンリンパ腫と診断されたことを報告している。
社会のために闘い、私生活でも様々な困難を乗り越えてきたジェーン。そんな彼女が、米Peopleにこんな思いを語った。
「私は良い人生を生きてきました。生産的で、意志を持った人生を生きてきました。人生を、定められたよりも長くは出来ないですが、それを広く、深いものにすることは出来ると知っていました。そして私はそれをやり遂げた。今もしています。私は、自分が若い人々にとっての例になれることを願っています。そうすれば、若い人々が年を取ることに恐怖しないでいられるでしょう」
自分が向かっていく先に恐怖を抱くことほど、悲しいことはない。しかしジェーンは、年を取ることは怖くないのだと伝えている。彼女が、そのメッセージを伝える重要性を感じた出来事の1つに、1994年の出来事があるよう。彼女は、ジョージア州で性教育など健康に関する問題に取りくむGCAPPという団体を1995年に立ち上げている。じつはその前の1994年に、14歳で第2子を出産した少女の元を訪れ、彼女の様子を見て「無力で、悲しかった」と振り返る。
その経験を経て彼女は、「私たちが行なっていることがなんであれ、その活動を通して、若い人々に自分たちには未来があるのだと感じさせてあげなければいけない。そして若い人々は、その未来を妥協させるような問題に巻き込まれない必要がある」と考えている。
自分が経験した苦労を、下の世代も経験すべきだと考える人は少なくない。しかし自分が苦労を知っているのだからこそ、下の世代をその苦労から守るべきだろう。ジェーンの姿勢には、若い世代だけでなく、すべての人がそれぞれに学ぶところがある。
(フロントロウ編集部)