米企業マースが、M&M'sで人気の女性キャラクター3種を起用した限定パッケージを発売することと、総額約1,000万円を女性支援に使うキャンペーンを発表したのだが、それが保守派の怒りを買っている。(フロントロウ編集部)

国際女性デーの限定パッケージが米で登場

 アメリカの大手食品会社であるマース インコーポレイテッドが、M&M'sの人気女性キャラクターであるミズ・グリーン、ミズ・ブラウン、さらには新キャラクターであるミズ・パープルを起用した限定パッケージを発売することを発表。女性キャラクターのみを起用したパッケージは史上初で、3月8日の国際女性デーに向けて、現状を打破しているあらゆる女性たちを祝福する目的を込めてデザインされたという。

画像1: 国際女性デーの限定パッケージが米で登場

 この限定パッケージ商品は売上1個につき1ドル、合計50万ドル(約6,500万円)が、音楽界での女性の活躍を支援している団体She Is The MusicとWe Are Moving the Needleとの戦略的パートナーシップを通じて、女性支援に役立てられる予定だという。マース インコーポレイテッドではそれに加え、総額30万ドル(約4,000万円)を、Female Founder CollectiveとGeena Davis Institute On Gender In Mediaと、現状を打破している女性たちに寄付するという。

画像2: 国際女性デーの限定パッケージが米で登場

 Mは反対にするとWomanのWになることと、現状を打破するという英語“flipping the status quo”に“flip(ひっくり返す)”という言葉が入っていることから、パッケージでは3人のキャラクターたちが逆さまで並んでいる。北米の最高マーケティング責任者Gabrielle Wesley氏は声明で、「M&M'Sブランドは、誰もが自分の居場所だと感じられる世界を作るために、楽しさの力を使って目的を持ったつながりを生み出すことを使命としています」と語った。

画像3: 国際女性デーの限定パッケージが米で登場

 お菓子を食べることで社会支援ができるなんて、それは良い取り組みですねとなるところだが、このパッケージがアメリカの保守派メディアの逆鱗に触れている。

M&M'sの女性キャラクターに性的魅力を求める保守派たち

 米保守派メディアのFOX Newsの人気司会者で、ワクチンに関する不誠実な情報を語り続けて強く批判を浴びているタッカー・カールソンは、同パッケージを「ウォーク」と批判。ミズ・グリーンとミズ・ブラウンが手をつなぐ姿が写った2015年の画像を持ち出し、「グリーンとブラウンが手を繋いでいる」という見出しで、「レズビアン」のM&M'sについても問題視。さらに、ミズ・パープルについては「プラスサイズの肥満」と発言していた。

 ちなみにタッカー・カールソンは昨年、ミズ・グリーンとミズ・ブラウンがハイヒールからスニーカーなどの靴にイメチェンしたときには、「M&M'sはすべてのカートゥーン・キャラクターが非常に魅力的ではなく、完全にアンドロジナス(※俗に言われる男らしさや女らしさに当てはまらない特徴のこと)であるまで満足しない」と激怒し、「完全に魅力を感じなくなったとき、私たちは(男女)平等を達成するのです」と皮肉たっぷりにコメント。彼がこれまで、お菓子のカートゥーン・キャラクターにセクシーさを求めていて、実は魅力を感じていたことが当時笑いものになった。

 Fox Newsの別企画『Gutfeld!』では、4人のコメンテーターをスタジオに呼んで、彼らが“ウォークなM&M's”とする商品について討論。あるコメンテーターはミズ・グリーンを「この機に便乗したビッチ」と呼び、別のコメンテーターは、ミズ・グリーンがスニーカーを履いていることに触れて「誘惑する女性」だと皮肉を込めて言っていた。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.