史上3位の1億1,300万人が視聴したスーパーボウルで、日本に本社を置くアステラス製薬の米国子会社が更年期障害について啓発する30秒のCMを流した。CMのテーマは「VMSって何?」。

「VMSって何?」アステラス製薬が閉経症状を啓発

 NFLのチャンピオンを決めるスーパーボウルは例年1億人以上が視聴する一大イベントで、毎年、各ブランドがスーパーボウル専用のCMを作って新商品やブランドをPRする。そんなスーパーボウルで、更年期障害に関するCMが流れる日がついにやってきた。第57回スーパーボウルでそれを実現させたのが、日本に本社を置くアステラス製薬の米国子会社。

 アステラス製薬が放送した30秒CMは、俳優のカーメラ・ライリーが街で女性たちに「VMSって何ですか?」と聞くという内容。VMSは血管運動神経症状のことで、閉経に伴って起こるほてり(ホットフラッシュ)や寝汗といった症状のことを指す。最大で女性の80%が経験するものだとされているが、今回のCMでVMSについて聞かれた女性たちは皆、「全然分からないです」「聞いたことない」「分かりません」「K-POPグループの名前?」と反応。

 そこでカーメラ・ライリーが「更年期障害に伴って起こるホットフラッシュや寝汗を指す医学用語です」と説明し、最後に、VMSについての情報が詳しく記載されている「whatsvms.com」へと誘導する。

 女性のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)に大きく影響する月経や閉経に関しては、社会における話題や情報が不十分なため、女性を含めて社会全体で知識が少ないという問題がある。近年になってようやく少しずつ社会問題として意識され始めているが、そんななか、スーパーボウルというビッグイベントで月経症状について啓発するCMが流れたのは、閉経に関する会話をノーマライズする(※普通のこととする)のに役立つ素晴らしい出来事。AP通信やロイター通信によると、第57回スーパーボウルは1億1,300万人に視聴されたという。わずか30秒でものすごい数の老若男女にVMSという言葉が啓発されたことになる。

 アステラス製薬では、VMSに対処するための非ホルモン療法という新たな治療選択肢を提供するためにfezolinetantの開発を進めており、2022年に米国食品医薬品局(FDA)に新薬承認申請を行なった。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.