ボーイッシュだったキーラ・ナイトレイ、世間のイメージに苦悩
これまでに多くの作品に出演し、アカデミー賞やBAFTA、ローレンス・オリヴィエ賞など、数々のアワードで評価されてきたキーラ・ナイトレイ。世界的に名前が知られるようになったのは、2003年の『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』がきっかけ。ディズニーが誇る大ヒットシリーズで、キーラはメインキャラクターのエリザベス・スワンを演じた。
彼女の人生を変えたキャラクターだが、彼女はその影響にも悩んでいたという。「私は私が表現しているものによってジャッジされていました」と、Harpers Bazaarイギリス版で話す彼女は、本当の自分とは異なるイメージを社会から投影されてきたと語った。
「エリザベスはみんなの欲望の対象だった。彼女は闘争心を持っていないというわけではない。でも、私はとてもボーイッシュなタイプとして育ったのに、真逆のように捉えられたのは興味深かったですね。非常に窮屈に感じていました。そこから動けないような感じだった。なのでその後に演じた役は、それを壊そうとするためでした」
映画ファンの間では、キーラがサッカー少女を演じた『ベッカムに恋して』での演技が印象的だったと考える人もいるはず。彼女はあの役のほうが似ていたのかもしれない。その後も彼女は『ドミノ』や『プライドと偏見』、『つぐない』などに出演したが、『呪われた海賊たち』から5年ほどは苦しく、「自分には力がない」と感じていたそうで、「それ(エリザベスと自分は違うということ)を明確にする方法が分からなかった。自分が理解できないものの中に閉じ込められた感覚でした」という。さらに22歳の頃には、仕事の疲れからPTSDに。2年の休息を取った。
しかし今年40歳になるキーラは自分の中の信念がより明確になり、その思いをもって様々な作品に出演している。その多くは、女性がステレオタイプに阻まれず生き生きと活躍するもの。最近では、女性が年齢を重ねること、白髪になることに対するスティグマに憤りを覚えているそうで、ヘレン・ミレンが憧れの人なのだそう。
(フロントロウ編集部)