アカデミー賞が2022年の授賞式で起きたウィル・スミスのビンタ騒動を受けて、危機管理チームを雇ったことがわかった。(フロントロウ編集部)
2023年のアカデミー賞授賞式では危機管理チームを採用
2022年のアカデミー賞授賞式で、プレゼンターとして登場したコメディアンのクリス・ロックのジョークに激怒した俳優のウィル・スミスが、ステージに上がってクリスをビンタする騒動が起きたことを受けて、2023年の授賞式でまた同じようなことが起こった場合に迅速かつ適切な対応をするために危機管理チームを採用したことがわかった。
その後、ウィルは騒動の責任を取って、アカデミー賞を主催するハリウッドの映画芸術科学アカデミーを退会。さらに、映画芸術科学アカデミーはウィルに対し、この先10年間、アカデミー賞授賞式を含む同団体主催のイベントへの出入りを禁止することを発表した。

アカデミー賞にとっては初の試みで、米Timeの取材に応じた映画芸術科学アカデミーのCEOであるビル・クレイマー氏は、危機管理チームを雇ったことを認めると同時に、「私たちは、多くのシナリオを想定してきました。ですから、今すぐには予想できないことでも、万が一に備えて計画を立てておくことが、私たちの願いです。昨年のことがあって、アカデミー賞ではさまざまなことが起こり得るということを身をもって知りました。(中略)何も起きないことを祈るばかりですが、私たちにはすでに修正可能な枠組みがあります」と語っている。
授賞式のオープニングでウィル・スミスの騒動に触れる
なお、先ほど幕を開けた第95回アカデミー賞授賞式のオープニングでは司会を務めるコメディアンのジミー・キンメルが、「皆さんには楽しんでもらいたいし、安全だと感じてもらいたいです。そして、何より、私自身が安全だと感じたいのです。そのために厳しいルールを設けています。もし、この劇場にいる誰かがショーの最中に暴力行為を行った場合、あなたはアカデミー主演男優賞を受賞し、19分間の長いスピーチをすることを許されるでしょう。でも、真面目な話、アカデミー賞には危機管理チームがいるんですよ。もし、ショーの最中に予測不可能なことや暴力的なことが起こったら、昨年と同じようにその場に座り、何もしないでください。加害者を抱きしめてあげるのもいいかもしれませんね。ちなみに、もしジョークに腹を立てて、騒ぎを起こしたいと思ったとしても簡単にはいかないと思います。(クリード役の)マイケル・B・ジョーダンや、(エヴリン役の)ミシェル・ヨー、(マンダロリアン役の)ペドロ・パスカル、(スパイダーマン役の)アンドリュー・ガーフィールドを倒さないといけませんから」というジョークを飛ばして、さっそくウィルのビンタ騒動をネタにするひと幕もあった。
“If anyone in this theater commits an act of violence at any point in the show, you will be awarded the Oscar for Best Actor and permitted to give a 19-minute-long speech.” jokes host Jimmy Kimmel at the #Oscars. https://t.co/ndiKiHeOT5 pic.twitter.com/qofvMJ8ZD9
— Variety (@Variety) March 13, 2023
(フロントロウ編集部)