ハリー・ポッター役でおなじみのダニエル・ラドクリフは以前からLGBTQ+の権利擁護を公言しているが、自分をLGBTQ+を支持・理解する「アライ(Ally)」と呼ぶことをためらっているという。ダニエルが明かしたその理由とは。(フロントロウ編集部)

ダニエル・ラドクリフがトランスジェンダー&ノンバイナリーの若者と対談

 映画『ハリー・ポッター』シリーズで主人公のハリー・ポッターを演じた俳優のダニエル・ラドクリフが、LGBTQ+の人々を支援する慈善団体ザ・トレヴァー・プロジェクト(TheTrevor Project)が手がける『Sharing Space(原題)』シリーズで、トランスジェンダーおよびノンバイナリーの若者6人と座談会に参加し、ジェンダー多幸感(※)やジェンダー代名詞の尊重、自己発見、本物のアライシップとは何かなどを話し合った。
※自分のジェンダーを肯定されたことで得られる幸福や心地よさ。

 ちなみに、2010年からザ・トレヴァー・プロジェクトの支援者であるダニエルは、2020年に『ハリー・ポッター』シリーズの生みの親であるJ.K.ローリング氏のトランスジェンダーをめぐる発言が炎上した際にも、「いくつかのメディアはこの一件をJ.K.ローリングと僕の対立のように描きたがるかもしれませんが、そうではありませんし、大切なのはそういうことではありません」と前置きしたうえで、「トランスジェンダーの女性は『女性』です。これに反する意見は、トランスジェンダーの方々のアイデンティティや尊厳を傷つけ、この問題についてジョー(※ローリング氏の愛称)や僕よりも遥かに専門性を有する医療の専門家たちのあらゆる助言と対立するものです」と、同団体を通じてローリング氏の主張に反論する声明を出すなど、LGBTQ+コミュニティに寄り添ってきたことで知られる。

画像: ダニエル・ラドクリフがトランスジェンダー&ノンバイナリーの若者と対談

 番組のなかで、「多くの人たちがトランスジェンダーの若者について議論を行い、ニュースでもその話題をよく耳にしますが、実際に当事者である若者たちから直接話を聞くことは非常に稀です」、「結局のところ、トランスジェンダーの若者について語るのであれば、実際に彼らの声に耳を傾けるのが最も有効的なのではないでしょうか」と、当事者から話を聞くことの重要性を説いたダニエルは、「善意のつもりで『君たちはまだ若い。大きな決定を下すにはまだ若い』と言われることについてどう思いますか?」、「君たちがアライだと思っている人たちはどのような人ですか?」といった質問を若者たちに投げかけ、彼らの意見にじっくりと耳を傾けた。

 また、トランスジェンダーの若者たちと話をするなかで、ダニエルは自身も含まれるであろうLGBTQ+を理解し支援する「アライ(Ally)」という言葉に若干のためらいがあることも明かした。

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