『リトル・マーメイド』でオリジナル楽曲の歌詞が変更
6月9日に全国公開を迎えるディズニー最新作『リトル・マーメイド』。本作は、1989年に公開(日本では1991年に公開)された同名の名作アニメーションをリイマジニング(再解釈)した実写版となっており、主演にはハリー・ベイリーが抜擢されている。
ディズニー社100周年の今年に公開を迎える『リトル・マーメイド』については、オリジナル版から一部の楽曲の歌詞が変更されていることが判明しており、「キス・ザ・ガール」や「哀れな人々」という楽曲の歌詞が変更されていることを作曲家のアラン・メンケンが明かしている。
セバスチャンが歌うオリジナルの「キス・ザ・ガール」では、声が出なくなっていたアリエルにキスをするようエリック王子に促す内容が歌われているほか、アースラが歌う「哀れな人々」では、男性たちが求める女性像を目指すように促す内容が歌われている。
アランは米Vanity Fairに「キス・ザ・ガール」の歌詞の変更について、「人々は(エリック王子が)いかなる形であっても(アリエルへのキスを)強要するという考えに繊細になっているため、『キス・ザ・ガール』では一部の歌詞が変更されています」と語ったほか、「哀れな人々」については次のように説明した。
「アースラがアリエルに声を諦めるよう操っていることは明白であるとはいえ、幼い少女たちに、軽率に声をあげてはいけないように感じさせてしまう可能性を考慮し、『哀れな人々』についてはいくらか見直しました」。
エリック王子役が「キス・ザ・ガール」の歌詞についてコメント
そして今回、来たる最新作でエリック王子を演じるジョナ・ハウアー=キングが、「キス・ザ・ガール」の歌詞がオリジナルから変更されたことについてコメントした。
米The Hollywood Reporterのインタビューに応じたジョナは、本作でのエリック王子とアリエルの関係性について「より大人びた、成熟したものになっています」とコメント。
続けて、「キス・ザ・ガール」の歌詞が、アリエルにキスを強要するような内容から変更されたことについては、自身は歌詞についての打ち合わせには参加していないことを明確にした上で、「個人的には、同意(を求めること)やキスをすることを相手に訊くということについて何らかの感情があったというふうに理解していますが、僕としては全面的に理解できるものです」と語り、アリエルにキスの同意を求める内容に変更されたことへの理解を示した。
オリジナルの『リトル・マーメイド』での女性像の描かれ方をめぐっては、俳優のキーラ・ナイトレイが疑問を投げかけ、子どもには観せないようにしていると明かしたことも。今回、30年以上越しに実写映画化されるにあたって、時代に合わせて再解釈された内容に変更されたことは重要なことだと言える。(フロントロウ編集部)