工場の清掃員から副社長にまで上り詰めた実話に基づくサクセスストーリーを描く映画『フレーミングホット!チートス物語』で映画監督デビューを果たしたエヴァ・ロンゴリアが、カンヌ国際映画祭のトークショーに登壇し、ハリウッドにおけるチャンスの不平等さを批判した。エヴァが評価する、最新の評価システム「インクルージョン・リスト」とは?(フロントロウ編集部)

非白人男性は「2倍努力して、2倍速く、2倍安く働く必要がある」

 エヴァ・ロンゴリアが、カンヌ国際映画祭のトークショー「ウーマン・イン・モーション・トーク」に登壇。2004年にドラマ『デスパレートな妻たち』のガブリエル役で俳優としてブレイクしたエヴァは、女優を続ける傍ら、2005年には映画やドラマの制作会社UnbeliEVAble Entertainmentを設立。映画『ジョン・ウィック』ではプロデューサーとしてクレジットされたほか、ドラマ『ブラッキッシュ』や『ジェーン・ザ・ヴァージン』では監督も務めている。

 そんなエヴァが、新作映画『フレーミングホット!チートス物語(原題:Flamin’ Hot)』で長編映画の監督としてデビュー。チートス Flamin'Hot 激辛チーズ味を生み出し、工場の清掃員から副社長にまで上り詰めたメキシコ系アメリカ人の実話に基づくサクセスストーリーを描く同映画は、米サウス・バイ・サウスウエスト映画祭(SXSW映画祭)で観客賞を受賞。日本ではディズニープラス内のスター」にて6月9日(金)より独占配信される。

 女性監督であること、ラテン系監督であること、そして初の長編映画であることを理由に、責任の「重み」を感じたというエヴァは、「自分のコミュニティの重みを感じたし、全ての女性監督の重みを感じた」とコメント。続けて、女性監督は男性監督に比べて失敗したら次はないことが多いことに触れた。

 「私たちにはりんごを何度もかじることは許されない」と語ったエヴァは、最後にラテン系の女性監督が手がけた同規模のスタジオ映画が公開されたのは20年ほど前だとして、「もし、この映画が失敗したら、みんな『ああ、ラテン系の物語はうまくいかない…女性監督ではダメだ』と言うでしょう。私たちにはあまり多くの打席は与えられないのです。白人男性ならば、2億ドルの映画を監督して、失敗しても別の作品がまわってくる。それが問題なのです。私たちに許された打席はひとつ。チャンスは一回だけ。(男性の)2倍努力して、2倍速く、2倍安く働く必要があるのです」と続けた。

 リドリー・スコット、マイケル・ベイ、ピーター・ジャクソンと、有名監督のキャリアには予算百億円超級の失敗がつきもの。ただSNS上では、エヴァの発言を受けて、2021年版のDC映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』を大失敗に終わらせた後にDCスタジオの共同会長兼CEOに抜擢されたジェームズ・ガンの名前を挙げる人が多いように見受けられる。

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