ストライキ中に映画の宣伝活動ができるようトム・クルーズが要求
シリーズ最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』の日本公開に合わせて25回目の来日を果たす予定だったものの、全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキが決行された影響で来日が中止となったトム・クルーズが、ストライキ中に俳優が映画の宣伝をすることを認めるよう事前に組合に要請していたことがわかった。
フロントロウでお伝えしたが、アメリカの俳優・アナウンサー・俳優・声優・ネットインフルエンサーなど16万人が加入する俳優組合であるSAG-AFTRAが、日本時間7月14日16:00よりストライキを開始した。ストライキ中は映画やドラマの撮影はもちろんのこと、作品のPRを目的とした宣伝活動も禁止されるため、スト決行によって、7月17日に予定されていたトムをはじめとする『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』の出演者たちの来日も直前で取りやめとなった。
SAG-AFTRAは、パラマウントやディズニー、ワーナー・ブラザースなどが加入する映画製作者協会(AMPTP)との新契約にあたり、最低賃金率の引き上げや、福利厚生制度への拠出増、インフレなどによる収入減からの保護など複数のことを求めているが、最も焦点が当たっているのは、再放送料の増額とAIの規制。
米The Hollywood Reporterによると、SAG-AFTRAを代表して6月にAMPTPとの交渉会議に参加したトムは、AMPTPに対し、AIに関する規制についてSAG-AFTRAの要求の重大性を認識するよう促したほか、スタント・コーディネーターやスタント・パフォーマーに関するSAG-AFTRAの立場を支持するよう働きかけたという。なお、スタント・コーディネーターやスタント・パフォーマーに代わってSAG-AFTRAが提案した具体的な内容については、公表されていない。
また、トムはパンデミック後の映画館の経営状態が悪化していることや、宣伝活動が映画の興行成績に与える影響を考慮して、SAG-AFTRAに対し、俳優が宣伝活動を行なうことは映画館、ひいては俳優という職業にとって極めて重要なことであることを説くと同時に、ストライキ中に俳優が映画の宣伝をするのを認めることを検討するよう求めたとThe Hollywood Reporterは伝えている。しかし、現在の状況を見てもわかるとおり、トムのその要求が通ることはなかった。