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「10年が経ちました」 ベック、名盤のバンドと再集結し新作9月18日発売

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BY FRONTROW Editorial Dept.
「10年が経ちました」 ベック、名盤のバンドと再集結し新作9月18日発売
photo credit: Mikai Karl

グラミー賞8冠のベックが、ニュー・アルバム『Ride Lonesome』を9月18日にリリースすると発表した。呼び戻したのは、名盤『シー・チェンジ』『モーニング・フェイズ』を共に作った当時のバンドだった。(フロントロウ編集部)

「10年が経ちました」 同じスタジオ、同じ顔ぶれ

レーベルの発表によると、ベックの全曲新録アルバムとしては、グラミー賞を受賞した2019年の『ハイパースペース』以来となる新作『Ride Lonesome』(ライド・ロンサム)が、9月18日にリリースされる。

注目したいのは、集められた顔ぶれだ。スモーキー・ホーメル、ジョーイ・ワロンカー、ジャスティン・メルダル=ジョンセン、ロジャー・ジョセフ・マニング・ジュニア、ジェイソン・フォークナー。いずれも『シー・チェンジ』『モーニング・フェイズ』『ミューテイションズ』を共に作った、当時のツアー/レコーディング・バンドのミュージシャンだ。録音場所も、ベックがお気に入りだというハリウッドのユナイテッド・スタジオ「ルームB」。ミックスは、レディオヘッドの諸作で知られ、『シー・チェンジ』『ミューテイションズ』でもベックと組んだナイジェル・ゴドリッチが全曲を手がけている。

ベック本人は、今回のレコーディングをこう振り返っている。

「スタジオに入って『モーニング・フェイズ』をレコーディングしてから、10年が経ちました。今回は、演奏そのものも、バンドのケミストリーも、この年月のなかでさらに進化し、深みを増しているのを感じました。何十年にもわたって共に音楽を作ってきた時間が、ひとつのサウンドとして自然に結実したような感覚でした」

さらに、「音楽的にも、物理的にも、かつての場所を再訪しながら、その道のりのなかで新しい音や感情の質感にも出会うことができたように感じています」とも語っている。同じ場所に戻ることが、懐古ではなく更新になった――そんな手応えがにじむ言葉だ。

新曲「In The Night」のMVには、あのドニ・ラヴァン

アルバムの発表に併せて、セカンド・シングル「In The Night」(イン・ザ・ナイト)も届けられた。夜に巡る思索に寄り添う、美しくも抑制の効いた1曲だ。

ミュージック・ビデオも同時に公開されている。監督はミカイ・カール、プロデュースはライアン・スマイル。そして出演しているのは、映画『美しき仕事』や『汚れた血』で知られるフランスの俳優ドニ・ラヴァンだ。シネマティックな仕上がりになっている。

今年4月に先行して出ていた表題曲「Ride Lonesome」は、米NPRから、ベックの最も愛される作品群に並ぶほど感動的で美しくプロデュースされた楽曲だと評されるなど、高い評価を得ていた。この2曲はいずれも、2015年にグラミー賞の年間最優秀アルバム賞を受賞した『モーニング・フェイズ』と、その精神的前作といえる2002年の名作『シー・チェンジ』を想起させる、美しくもどこか陰りを帯びた音世界をたたえている。アルバムを通してプロデュースを担当したのはベック自身だ。

全12曲、そしてツアーへ

ベック アルバム『Ride Lonesome』ジャケット写真
画像提供:ユニバーサル ミュージック

『Ride Lonesome』は全12曲。「Ride Lonesome」で幕を開け、「Run Away」「In The Night」「Failed Words」「Bleed」「Disappearing Act」「For Your Love」「Slow Canyon」「It Ends Right Here」「Falling Through My Hands」「If You Don’t Know What Love Is」と続き、「Beyond The Light」で締めくくられる。

リリースに合わせて、ベックは「Ride Lonesome Tour」もスタートさせる。北米ツアーは9月16日、カナダ・バンクーバー公演で開幕。ロサンゼルス、サンフランシスコ、トロント、ブルックリンなどを巡り、10月31日にナッシュヴィルで最終日を迎える。

1994年の「ルーザー」で全米モダン・ロック・チャートを5週連続1位に送り込んで以来、フォーク、ファンク、ソウル、ヒップホップ、エレクトロニカ、カントリー、サイケデリアと、ジャンルの壁を軽々と越えてきたベック。スタジオ・アルバムは14枚を数え、グラミー賞は8度受賞している。日本でも2024年にアコースティック・セットで、2025年には「NANO-MUGEN FES. 2025」と東京・大阪の単独公演「BECK Live in Japan 2025」で来日したばかり。この秋の新作が、次の来日への呼び水になるかもしれない。

9月18日、タワーレコード渋谷店でリリース・パーティー

発売日当日の9月18日、東京でも『ライド・ロンサム』のリリース・パーティーが開かれることが決まった。会場はタワーレコード渋谷店6FのTOWER VINYL SHIBUYA。19時スタートのフリー入場で、当日発売となる商品をいち早く手に取れるほか、新作を良質な音響環境で試聴できる。世界各地で行われるリリース・パーティーの、東京開催という位置づけだ。

当日のタイムテーブルは19時から『ライド・ロンサム』の試聴会という構成で、ベック本人の出演はない。混雑した場合は入場規制がかかることもある。日本盤CDは日本独自の紙ジャケット仕様で、価格は3,000円+税、品番はUICC-10062。同日にはアナログ盤(輸入盤日本語帯付仕様)も発売される。

10月1日、粉川しのがベックの歩みと新作を解説する特集動画が公開

アルバムの発売から約2週間後、ユニバーサル ミュージックが運営するYouTubeチャンネル「カバでもわかる洋楽ばなし」で、ベックの特集動画が公開された。ゲストは音楽雑誌『ロッキング・オン』の元編集長で、現在は音楽ライターとして活動する粉川しの。1990年代に登場したベックの歩みを振り返りながら、メジャー・デビュー曲「Loser」のサウンドが当時のシーンに与えた影響や、同曲がラジオで広くかかるようになった経緯を解説している。初めて聴いたとき、スライドギターに続いてヒップホップのビートが入ってくる構成に驚いたという粉川の回想も聞ける。

動画はさらに、フォーク、ロック、パンク、ヒップホップを組み合わせてきたベックの音楽性をたどり、『Odelay』『Sea Change』『Morning Phase』などで移り変わってきたサウンドにも触れる。締めくくりは新作『Ride Lonesome』で、『Sea Change』『Morning Phase』に通じる、音数を抑えたベックの表現が紹介されている。新作を携えた北米ツアー「Ride Lonesome Tour」もすでに始まっており、シカゴ、トロント、ボストン、ブルックリンなどを巡って11月まで続く。ベックはこのツアーについて「ニュー・アルバムを深く掘り下げるとともに、『Sea Change』と『Morning Phase』からも楽曲を取り上げ、さらにサプライズも用意している」とコメントしている。

10月16日、シドニー交響楽団との「Ride Lonesome」初ライヴ映像が公開。2027年にはU2のツアーにも出演

表題曲「Ride Lonesome」を、ベックがシドニー交響楽団と演奏したライヴ映像が公開された。撮影は今年5月7日、オーストラリアのシドニー・オペラハウス公演でのこと。この曲がライヴで披露されたのは、この日が初めてだった。オーケストラに加えて、長年のバンド・メンバーであるジェイソン・フォークナー(ベース/ヴォーカル)、ロジャー・ジョセフ・マニング・ジュニア(ピアノ/ヴォーカル)、ジェームス・マカリスター(ドラム)も参加し、指揮はニコラス・バックが務めた。この日のためのオーケストラ・アレンジは、ベック本人と、数々の作品で彼と組んできた父デヴィッド・キャンベルが手がけている。

ベック
Photo: Mikai Karl

あわせて、U2が2027年に行なうワールド・ツアー「カルナバル・デ・ルス・プレゼンツ:ザ・グレイテスト・ショー・オン・アース・ワールド・ツアー2027」に、ベックがサポート・アクトとして出演することも決まった。ツアーは2027年2月23日にメキシコシティで開幕し、ベックはメキシコシティ、サンパウロ、ブエノスアイレスの計6公演に出演する。ベックがU2のツアーに加わるのは、『ヨシュア・トゥリー』30周年を記念した2017年の「ヨシュア・トゥリー・ツアー2017」以来となる。

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