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「パンクが来た時も驚かなかった」ザ・フー、未発表92曲を解禁

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「パンクが来た時も驚かなかった」ザ・フー、未発表92曲を解禁
Photo credit: Terry O'Neill/Trinifold Archive

ザ・フーが1975年に発表した7枚目のアルバム『ザ・フー・バイ・ナンバーズ』の発売50周年を記念して、5CD+ブルーレイのスーパー・デラックス・エディションが10月30日に登場する。未発表音源は92トラック。半世紀ぶりに開いた箱には、当時のピート・タウンゼントの心境まで残されていた。(フロントロウ編集部)

デモ11曲、ガイド・ボーカル、そして初期ミックス

1975年10月発売の『ザ・フー・バイ・ナンバーズ』は、全米8位・全英7位を記録したザ・フーの7枚目のスタジオ・アルバムだ。シングル「スクイーズ・ボックス」は全英トップ10と全米トップ20に入り、カナダでは1位を獲得。ベースのジョン・エントウィッスルが自ら描いた、点と点を線で結ぶ「数字つなぎ」のジャケットでも記憶されている。

その50周年盤は、CD5枚とブルーレイという構成になった。ディスク1は最新リマスターのオリジナル・アルバム、ディスク2はピート・タウンゼントによるオリジナル・デモ11曲。以降のディスクには、ランポート・スタジオとシェパートン・スタジオでのトラッキング・セッション、初期ミックス、そして完成版では別のメンバーが歌うことになった曲のガイド・ボーカルが収められる。ディスク5は、1976年6月12日にウェールズ・スウォンジーのヴェッチ・フィールドで行なわれた公演のライヴ音源だ。

未発表のトラックとミックスは、合計92。先行公開されたのは、完成版ではロジャー・ダルトリーが歌う「イマジン・ア・マン」を、ピート本人のボーカルで聴けるアーリー・ミックスだ。

7万6,896人の記録は、映像ごとしまわれていた

ブルーレイに入るのは、ピート・タウンゼントが新たに手がけたドルビーアトモス、5.1、ステレオの各ミックス。そしてもうひとつ、これまで一度も表に出ていなかったライヴ映像がある。

1975年12月6日、ミシガン州ポンティアックのメトロポリタン・スタジアムでの公演を、2インチ・ビデオテープで収録したものだ。この日の観客数は7万6,896人。当時、屋内で開催されたロック・コンサートとしては史上最多の動員記録だった。「アイ・キャント・エクスプレイン」に始まり「ピンボールの魔術師」「マイ・ジェネレイション」を経て「無法の世界」で終わる全19曲が、記録ごと表に出ないままだったことになる。

『ザ・フー・バイ・ナンバーズ』スーパー・デラックス・エディションのパッケージ
画像提供:ユニバーサル ミュージック

100ページのハードカバー・ブックも同梱される。写真とメモラビリアに加えて、ピート・タウンゼントと、ザ・フー研究の第一人者として知られるアンディ・ニールによる書き下ろしの解説が載る。

「大物バンドは自己満足に陥り始めていた」

このアルバムは、ザ・フーがレコーディングしたなかでもとくにダークな曲が並ぶ一枚として語られてきた。50周年盤のブックのなかで、ピート・タウンゼントはその頃の自分をこう振り返っている。

「音楽業界に、新しい波、あるいはそれまでに対する反動や反逆が押し寄せてくるのを感じていた。大物バンドたちは無頓着になり、自己満足に陥り始めていた。僕は、自分の曲がこれからも聴き手にとってカタルシスをもたらすものであってほしいと思っていた。数年後にパンクが登場した時も、僕は驚かなかった」

セックス・ピストルズのデビュー・シングルが出るのは、この1年後のこと。すでに大物の側にいたはずの書き手が、自分たちに向かってくる波の気配を先に感じ取っていた——スーパー・デラックス・エディションは、アルバムがどう作られたかだけでなく、作曲者が当時どんな精神状態にあったかにも光を当てる内容になっている。

ザ・フー『ザ・フー・バイ・ナンバーズ(スーパー・デラックス・エディション)』は、5CD+ブルーレイの完全生産限定盤(19,800円・税込/日本盤のみSHM-CD仕様)として10月30日発売。2CDのデラックス・エディション(4,400円・税込)も同時に登場する。試聴・予約はこちら

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