TikTokで見つけた相手と新曲を共作していたことを明かしたのが8月初旬。その先にあった6作目のスタジオ・アルバム『I Know Too Much』を、エリー・ゴールディングが9月4日に発表した。だが、そこで終わらなかった。わずか3日後の9月7日、同じ作品に新曲6曲を追加したデラックス・アルバム『We Know Too Much』を、予告なしにリリースしたのだ。(フロントロウ編集部)
『I Know Too Much』から『We Know Too Much』へ
タイトルの主語が「I(私)」から「We(私たち)」に変わっている。3日という間隔は、通常のデラックス盤の出し方——本編が浸透し、チャートを一巡し、半年後あたりに追加曲を足す——とはまるで違う。ほとんど本編と同時に、続きが差し出された格好だ。
本編『I Know Too Much』はエリー自身が作詞・作曲を手がけ、エグゼクティブ・プロデューサーを務めるジャック・ロションがプロデュースを担当した。先行シングル「Black Prada Dress」の時点から、「知りすぎてしまう」ことをめぐる一枚になることは示されていたが、その答えを本人ひとりの「I」で閉じずに「We」まで開いてみせたことになる。
イギリスのメディアは「キャリア最高傑作のひとつ」と評した
本国イギリスでの評価も高い。英国版『ローリング・ストーン』は、デビューから16年が経った今もエリーには珠玉のエレクトロ・ポップを生み出す力がある、という趣旨の評を寄せた。『ザ・サン』紙は、彼女のキャリアのなかでも最高傑作のひとつだと評価している。
デビューから16年、エリーが積み上げてきた数字は桁が大きい。世界累計のストリーミング再生は550億回以上、アルバムのセールスは4,400万枚以上。世界でもっともストリーミングされている英国の女性アーティストのトップ5に入り、全英No.1アルバムの獲得数は英国の女性アーティストとして最多——これはアデルと並ぶ記録だ。さらに、英国のソロ女性アーティストとして史上最多のUKシングル・チャート入り記録も持っている。
「静か」から「レイヴ」まで振れ幅のあった助走
アルバムに至るまでの数カ月、エリーは意図的に振れ幅の大きい曲を出してきた。静かな曲の4日後にレイヴへ振り切るような並べ方で、聴き手に一枚の全体像を予測させないまま本編にたどり着かせている。その延長線上に、本編の3日後にもう6曲を置くという今回の動きがある。
エリー・ゴールディング『アイ・ノウ・トゥー・マッチ』および『ウィー・ノウ・トゥー・マッチ』は、いずれも配信中・輸入盤発売中。
9月11日の続報:本編は全英10位、さらに『You Know Too Much』も
その後、本編『I Know Too Much』は全英アルバム・チャートで初登場10位を獲得した。そして『We Know Too Much』に続けて、エリーはさらに6つの音源を加えた『You Know Too Much』を急遽リリースした。2025年に出たファン人気の高いシングル「Destiny」と、新たなアコースティック・トラック4曲を収めた、全22曲入りのアルバムだ。
タイトルの主語は「I」から「We」、そして「You(あなた)」へ。3日で『We Know Too Much』を出したときの勢いは、まだ止まっていなかった。『ユー・ノウ・トゥー・マッチ』は配信中。


















