息子の話で涙を流す映像だった。監督はそれでジョン・レグイザモに決めた


ジョン・レグイザモが日本の観客へビデオメッセージを寄せたのは、8月末のことだった。それから10日あまり、9月11日(金)公開の映画『私たちは、ちょうどいい。』から、今度はトレイシー・レイモン監督のオフィシャルインタビューと、応援コメント入りの新予告映像が届いた。(フロントロウ編集部)
SNSの人違いから始まった、若い女性と中年男性の奇妙な友情を描く本作。世界各国の映画祭で観客賞を席巻し、米批評家サイトでは98%の高評価を得ている。
決め手は、いじめられた息子について語る映像だった
インタビューで監督がもっとも具体的に語っているのが、ボブ・トレヴィノ役にジョン・レグイザモを選んだ経緯だ。
穏やかで包容力のあるボブを演じたジョンについて、監督は「実際に彼と親しくなればなるほど、『彼こそボブだ』と思うようになりました」と語る。素晴らしい父親としての父性、ユーモア、情の深さ、誠実さといったジョン自身が持つ人柄に、ボブとの共通点を感じていたという。
ただ、決定打になったのは別のものだった。ジョンが自身の息子について語ったインタビュー映像である。学校でラテン系であることを理由にいじめられた息子について話すうち、ジョンは涙を流した。その姿を見た監督は、「この人こそボブだ。彼はこの役を心で理解している」と確信したという。
監督はその後、ニューヨークまで直接会いに行き、「あなたこそボブ・トレヴィノなんです」と本人に伝えた。こうしてキャスティングが決まった。

「思いもよらない形で、人は癒やされることがある」
この映画は、監督自身の体験がもとになっている。映画にする過程で「これだけは大切にしたい」と最後まで守った思いを問われた監督は、「思いもよらない形で、人は癒やされることがある」と答えている。
そして自身の経験を振り返りながら、「人生を変えてくれる人は、私たちが思い描いていたような人とは限りません」と、偶然の出会いがもたらすつながりについて語った。物語の骨格そのものだ。幼い頃に母に捨てられ、父とも疎遠になったリリー・トレヴィノ(バービー・フェレイラ)が、父を探してSNSで送った友達申請。届いた先は、父と同姓同名の見知らぬ男性だった。
インタビューのロングバージョンは、公式パンフレットに掲載される。
新予告と、監督の来日舞台挨拶
同時に解禁された新予告映像には、伊藤さとり、竹田ダニエル、ふくだももこら各界から寄せられた絶賛コメントが入る。リリーとボブが偶然出会い、少しずつ心を通わせ、やがて互いにとってかけがえのない居場所になっていくまでの、ふたりの関係性が描かれている。
トレイシー・レイモン監督は来日し、公開初日の9月11日(金)18時30分の回(ヒューマントラストシネマ有楽町)と、翌12日(土)10時の回(新宿武蔵野館)で、上映後に舞台挨拶に立つ。いずれもチケットは販売中だ。
『私たちは、ちょうどいい。』は9月11日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町・新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開される。

















