ジェルネイルの持ちが違う?欧米で広がる「ウクライナ・マニキュア」とは


ジェルネイルをきれいな状態で長く楽しみたい。そんな人にとって気になるのが、いま欧米のサロンで広がっている「ウクライナ・マニキュア(Ukrainian manicure)」だ。丁寧な下準備と仕上がりの持ちで注目されるこの施術は、どこがほかのネイルと違うのか。米Allureの取材をもとに、その特徴をまとめた。(フロントロウ編集部)
ウクライナでは「マニキュア=色を塗ること」ではない
ウクライナ・マニキュアを知るうえで押さえておきたいのが、言葉の意味の違い。ウクライナでは「マニキュア」は色を塗る工程ではなく、その前の“下準備”を指すという。
ニューヨークにも進出したサロングループMVKの創業者ヴィクトリア・コロディによると、ウクライナで一般的なマニキュアといえば、甘皮処理と爪の形を整えるケアで、カラーは含まれない。一方、アメリカでは色を塗るところまで含めたサービスとして理解されているため、気づかないうちに認識が食い違っていたこともあったそう。
ウクライナ版Vogueのビューティ編集長アリョーナ・ポノマレンコは、「甘皮がきれいに手入れされているのを見れば、ウクライナの女性だとわかる」と話すほど、爪のケアが身近な習慣として根づいているという。
特徴1:下準備にじっくり時間をかける
ウクライナ・マニキュアには統一された厳密な定義があるわけではなく、施術内容はサロンによって多少異なるそう。ただ、共通するのは、細部まで丁寧に整える姿勢だという。
手作業の道具とネイルマシン(電動ファイル)を使い分けながら、甘皮を丁寧に整え、自爪の形を作っていく。Allureのライターが受けた施術では、古いジェルのオフと甘皮・自爪のケアに約40分があてられていたという。
ジェルを塗る段階では、自爪の強度を補うためにラバーベースやビルダージェルがよく使われる。ベースを塗って硬化させたあと、選んだカラーを塗り、細い筆も使って丁寧に仕上げていく。
特徴2:硬化前に指を“逆さま”にする
仕上がりの形を整えるためのひと手間にも特徴がある。Allureのライターがロンドンのサロンで受けた施術では、ライトで硬化させる前に、指を1本ずつ上下逆さまにしていたという。
これは、横から見たときの爪の盛り上がりである「アペックス」を、均一できれいなカーブに整えるため。ロンドンやニューヨークのウクライナ系サロンでも、同様の手法が使われているそう。
硬化後はファイルで形を微調整し、仕上げにオイルとクリームで保湿。爪の長さにもよるけれど、施術時間は全体で平均75〜105分ほどかかるという。
特徴3:仕上がりの持ちのよさも魅力
時間をかけて丁寧に仕上げることが、持ちのよさにもつながるという。
ロンドンでサロンを営むヴラダ・クリムによると、適切に施術されたウクライナ・マニキュアは、最大5週間、きれいで整った状態を保てることもあるそう。これは誰もが同じ期間持つという保証ではなく、サロン側が説明する持続期間の目安だ。
実際、ニューヨークのMVKで施術を受けたAllureのスタッフは、爪が伸びてきたものの、4週間欠けずに持ったと報告している。
ほかのジェルネイルより時間がかかり、料金も高くなることが多いが、ヴィクトリアによると、下準備の丁寧さや持ちのよさに驚き、再び訪れる客も多いという。
世界に広がった背景
この施術が欧米に広がった背景には、ロシアによるウクライナへの全面侵攻がある。
国外に避難した人々のなかには、美容業界で働いていた人もおり、移住先でネイルのサービスを提供するようになったという。また、移住先で新たに技術を学んだ人もいたそうだ。
ロンドンでは、2022年12月に1号店を開いたサロンチェーンSo.Shellが店舗を増やしている。共同創業者によると、スタッフの95%がウクライナ出身。独自のアカデミーでは、イギリス人のネイリストにも技術を教えているという。
アリョーナによると、当初、海外でウクライナ式の施術を求めていたのは、母国と同じ水準のサービスを探すウクライナ人の女性が中心だった。しかし、その丁寧な仕上がりは現地の人々にも支持され、SNSなどで知って訪れる人も増えているそう。
色やデザインだけでなく、その前のケアにもじっくり時間をかけるウクライナ・マニキュア。ジェルネイルをきれいに楽しむためのヒントは、“下準備”にもありそうだ。

















