『BEEF』シーズン2、批評家スコア87%が示す「越えられない壁」とは


Netflixアンソロジードラマ『BEEF/ビーフ』のシーズン2が日本時間4月16日に公開され、批評家スコア87%を記録した。前シーズンの98%には届かないなか、豪華な新キャストが見せた存在感と描かれた社会批評をめぐって、X上でさまざまな議論が巻き起こっている。(フロントロウ編集部)
全キャスト刷新で帰ってきた『BEEF』、主演は豪華な4人
クリエイターのリー・ソンジンが手掛ける『BEEF/ビーフ』は、毎シーズン物語もキャストも刷新されるアンソロジー形式のドラマシリーズだ。シーズン1で怒りをぶつけ合う2人を演じたスティーブン・ユンとアリ・ウォンは登場せず、まったく新しい人物たちの物語が展開される。
シーズン2で主役を担うのは、『エクス・マキナ』や『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で知られるオスカー・アイザックと、映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したキャリー・マリガン。さらに映画『プリシラ』主演のカイリー・スパエニーと、ドラマ『リバーデイル』で知られるチャールズ・メルトンが脇を固める。実力派が揃い、シーズン1とは異なる顔ぶれながらも高い期待感を持って迎えられた。
舞台は高級カントリークラブ。そこで働くカップルたちの野心、階級格差、そして結婚の亀裂を描く物語だ。リー・ソンジンは米メディアのインタビューで、本作が「自身の体験から引き出された」ものだと明かしており、身近な人間関係の摩擦が物語の核心にある点はシーズン1から変わらない。
批評家スコア87%が示すものシーズン1の98%との差
米Rotten Tomatoesの批評家スコアはシーズン2で87%を記録した。前シーズンの98%という高い水準には届かないものの、英NMEのジェームス・モットラム氏はシーズン2を高く評価している。
強みとして多くの批評家が口を揃えるのが、オスカー・アイザックとキャリー・マリガンの圧倒的な存在感だ。2人が生み出す「電気的な予測不能性」と、撮影監督ジェームス・ラクストンによる美しいビジュアルは、前作から変わらない高い質を担保している。また米Rotten Tomatoesのレビューによれば、フィナーレの舞台が韓国に移り、映画『パラサイト』やパク・チャンウク監督の美学を彷彿とさせる演出が展開されるとあり、映画ファンの間でも話題となっている。
一方、批評家から挙がった課題も鋭い。シーズン1が持っていたダークコメディのテンポが薄まり、物語の広がりが逆に散漫さを生んでいるという指摘がある。また「誰一人応援できるキャラクターがいない」という声は、好みの差を超えて複数のレビューに共通して現れており、好き嫌いが分かれる要因になっている。
「シーズン1を超えたか」という問いがXで飛び交う理由
X上では公開直後から「シーズン1を超えたか否か」という議論が収まらない。批評家スコアの差は約11ポイントだが、シーズン1の衝撃があまりに大きかったからこそ、シーズン2への目線は厳しくなりがちだ。一方で、シーズン1以上だと評価する視聴者の声も見られた。
キャストを全員入れ替えながらも同じクリエイターが同じテーマを掘り下げるアンソロジー形式は、続編として比較されやすい宿命を持つ。87%という数字は決して低くはないが、「98%の呪縛」から逃れることの難しさもまた、この作品を語るうえで避けられないテーマになっている。シーズン1とは切り離してフラットに向き合った時、このシーズン2が何を語りかけてくるのか——それを確かめるために再生ボタンを押す価値はある。












