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ジャッキー・チェンが『ラッシュアワー4』を拒否した「本当の理由」

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ジャッキー・チェンが『ラッシュアワー4』を拒否した「本当の理由」
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映画『ラッシュアワー』シリーズで世界中を沸かせたジャッキー・チェンとクリス・タッカーが、待望のシリーズ最新作に向けた交渉で大きな壁に直面している。米Art ThreatやThe Sourceの報道では、主演二人がそれぞれ800万ドル(約12億円)の出演オファーを断ったとされており、撮影は当初の予定から大幅にずれ込む見通しだ。(フロントロウ編集部)

2007年の半額以下——数字が示すハリウッドの矛盾

問題の核心は、報酬が19年前より大幅に下がっている点にある。米The Sourceによると、2007年公開の『ラッシュアワー3』でジャッキー・チェンとクリス・タッカーがそれぞれ受け取った報酬は約2,000万ドル(約31億円)だった。しかし今回の提示額はその半分以下となる800万ドルで、スタジオ側と主演二人の間で深刻な「評価のズレ」が生じている。

じつは映画業界では、ヒット作の続編においてスターが前作より高い報酬を得るのが慣行だ。さらに19年間の物価上昇を加味すれば、実質的な「目減り幅」は数字以上に大きい。米World of Reelの報道では、『ラッシュアワー4』の総製作費は1億2,000万ドル(約186億円)以上とされている。潤沢な予算を確保しながらも、シリーズを象徴する二人への報酬は前作比で大幅に引き下げる——この矛盾した構図こそが、交渉を膠着させているかもしれない。

ファンが待ち望む新作、しかし「お金の問題」が鍵を握る

計画では2026年春から、ブレット・ラトナー監督のもと中国・アフリカ・サウジアラビアを舞台にした撮影が行なわれる予定だった。しかし合意に至らないまま計画は棚上げとなり、現時点では同年9月以降への延期が伝えられている。米TMZは「プロジェクトは依然として進行中」とし、水面下での交渉は継続しているという。

1998年のシリーズ第1作以来、ジャッキーとクリスのコンビは文化の壁を超えたバディ映画の代名詞となった。香港アクション映画の象徴とハリウッドのコメディアンが組んだという異色の組み合わせは、シリーズ3作で世界合計10億ドル(約1,550億円)超の興行収入を記録している。日本でもジャッキー・チェンへの根強い人気は揺るがず、このシリーズは彼のキャリアを代表する作品だ。

第3作から約20年の沈黙を経ての新作に期待を寄せるファンは少なくない。しかし、その実現を阻んでいるのが「スターへの正当な評価」をめぐる問題だとすれば、これはひとつの映画の話にとどまらないかもしれない。ストリーミング時代に膨れ上がる制作費とは対照的に、フランチャイズを支えたスターの取り分が縮小しているとすれば、ハリウッドの構造的な課題を照らし出す象徴として語られることになるだろう。

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