2度のグラミー賞ノミネートを誇るKATSEYEが、3rd EP『WILD』を8月14日にリリースした。同時に公開された収録曲「Hootie Frutti」のミュージック・ビデオの舞台は、まさに幕を閉じようとしていたブラジルの地下パーティーだ。(フロントロウ編集部)
消えかけた熱を、KATSEYEが引き戻す
「Hootie Frutti」のミュージック・ビデオは、盛り上がりの終わりぎわから始まる。活気にあふれたブラジルのアンダーグラウンド・パーティーが解散へ向かおうとしていた、そこへKATSEYEが現れ、その場に再び生命を吹き込んでいく——という筋書きだ。監督を務めたのは、バッド・バニーやビリー・アイリッシュの映像を手がけてきたアルフレッド・マロキン。制作はSomesuchが担当した。
楽曲そのものも、映像と同じ温度で作られている。ブラジリアン・フォンクに着想を得た打ち込みのパーカッションに、盛りに盛ったマキシマリストなポップ・プロダクション。そこへ食べ物とラグジュアリーを掛け合わせた言葉遊びが重なる。最初のドラムが鳴った瞬間から熱気が噴き出す作りで、レーベル側もKATSEYEがこれまでに放ったなかで最も鮮烈なステートメントと位置づけている。
Hot 100入りの2曲と、エド・シーランが持ち込んだ1曲
EP『WILD』はHYBE x Geffen Recordsからのリリースで、全5曲入り。2025年に米ビルボードのアルバム・チャート「Billboard 200」でトップ5デビューを飾った前作『BEAUTIFUL CHAOS』の続きにあたる。前章のタイトルどおりの「美しい混沌」を通り抜けた先で、今作が置いているテーマは自己発見と自己決定だ。

1曲目「PINKY UP」は、グループとして初出演した今年のコーチェラ・フェスティバルでライヴ初披露された1曲。2曲目の「Animal」にはエド・シーランがソングライティングで参加しており、きっかけは本人からの連絡だったという。エド・シーランは「去年メキシコにいた時に、KATSEYEの『Gnarly』を初めて聴いて、大好きになりました」とリリース内のコメントで語った。ファンだと伝えたうえで、曲を書かせてほしいと自分から連絡したのだという。この2曲はいずれも米ビルボードのシングル・チャート「Hot 100」に入った。「Animal」のミュージック・ビデオにはデミ・ムーアがカメオ出演している。
後半は表情が変わる。4曲目「Bel Air」は、かつて愛していたものから自分が離れていく時のほろ苦さを描いたバラード。ラストの「That Way」は力関係と欲望を、遊びと自信のある視点から歌う。さらに限定盤にだけ入るボーナス・トラック「Unloveu」は、メンバーのLARAが、ハリー・スタイルズらを手がけるエイミー・アレン、アリアナ・グランデらと組んできたロス・ゴランとともに書き下ろした曲だ。

同じ日に、原宿の店の扉も開いた
EPが出た8月14日は、日本のファンにとっても動きのある一日になった。UNIVERSAL MUSIC STORE HARAJUKUで始まったポップアップストア『KATSEYE ‘WILD’ POP UP in Tokyo』が8月23日まで開催され、マーチャンダイズや音源商品を5,000円(税込)購入するごとに、先着でフォトカード全5種のうち1枚がランダムで配られる。入場は無料だ。
劇場も動いている。グループ初の映画『KATSEYE: WILD HEARTS』は世界60カ国以上・約1,700館で期間限定上映中で、日本では8月12日と15日を中心に、一部劇場では16日まで上映される。そして9月1日にはアイルランド・ダブリンの3Arenaからアリーナ・ツアー「THE WILDWORLD TOUR」が始まる。チケットは発売から48時間以内に完売した。先週には米アイオワ州の「Hinterland Music Festival」と米カリフォルニア州パサデナの「Head In The Clouds」で、自身初となるフェスのヘッドライナーも務めている。EPのタイトルどおり、荒っぽいほどの速度で外へ広がっている最中だ。

















