ワム!解散後の初ソロツアーとして知られる<FAITH TOUR>。その1988年パリ公演の音源が、初めて公式に世に出る。ライヴ・アルバム『THE FAITH TOUR』が11月6日にリリースされ、同名の映画の劇場公開も決まった。(フロントロウ編集部)
1988年、パリ・ベルシーで鳴っていた音
2016年12月25日に53歳で亡くなったジョージ・マイケルの、ソロデビュー・アルバム『FAITH』(1987年)。そのツアーとして開催された初のソロ・コンサート・ツアー<FAITH TOUR>が、ついに公式音源化される。ライヴ・アルバム『THE FAITH TOUR』は2026年11月6日、マルチフォーマットでリリースされる。
収録されているのは、1988年の欧州ツアーの一環として行なわれたパリ・ベルシー公演(Palais Omnisports de Paris-Bercy)。全18曲は「Freedom Opening」で幕を開け、「Faith」「Father Figure」「One More Try」「Monkey」といった『FAITH』の代表曲を経て、「Freedom Finale」で終わる。ミックスはクリス・ポーターとデヴィッド・オースティン、マスタリングはジョン・ウェバーが手がけた。
<FAITH TOUR>は北米、欧州、アジア、オセアニアの16カ国をまわり、計109公演を数えた。ステージの記録映像や断片は語り継がれてきたが、公演の音そのものが公式にパッケージされるのは、これが初めてになる。
彼が歌っていたのは、自分の曲だけではなかった
今回の音源で注目したいのは、ジョージが敬愛したアーティストのカバーが未発表ライヴ音源として入っていることだ。スティーヴィー・ワンダーの「Love’s In Need Of Love Today」(邦題:ある愛の伝説)、そしてラベルの「Lady Marmalade」。どんな曲でも自分の表現として飲み込んでしまう歌い手だったことが、ここで確認できる。
同時に、ワム!時代の「Everything She Wants」(邦題:恋のかけひき)と「I’m Your Man」もセットリストに残されている。ソロとして世界的スターへ駆け上がっていく途中で、彼が自分の出発点を切り離さなかったということでもある。
その『FAITH』は、作詞作曲からアレンジ、プロデュース、演奏のほとんどまでを本人が担った1枚だった。ソウル、R&B、ロックを溶かし込んだサウンドは当時24歳の彼を一気に世界的スーパースターへ押し上げ、マイケル・ジャクソン、マドンナ、プリンスを上回るセールスを記録。グラミー賞の年間最優秀アルバムとアメリカン・ミュージック・アワーズ3部門に輝いた。さらに「Faith」「Father Figure」「One More Try」「Monkey」の4曲が全米シングルチャートで連続No.1に。1枚のアルバムからビルボードHot 100のNo.1シングルを4曲生んだ英国人男性ソロアーティストは、いまも彼ひとりだ。サム・スミスやハリー・スタイルズら現在のトップ・アーティストにまで引き継がれている影響の、その源にある1枚だ。
映画の予告編も、同時に公開された
あわせて、映画『GEORGE MICHAEL: THE FAITH TOUR』の劇場公開も決定した。2026年後半より世界各国の映画館で上映される予定で、公開日や上映地域といった詳細は近日発表される。劇場公開に先駆けて、予告編映像がすでに解禁されている。
『THE FAITH TOUR』は、ピクチャー・ディスクを含む複数のフォーマットで発売される。目玉はデラックス・ボックス・セットで、コンサート全編を収めた3枚組LPと2枚組CDに、ツアー中の未公開写真を集めた136ページの限定ブックが付く。ダブル・スリップケース仕様の特製パッケージに収められた輸入盤限定の内容だ。ほかに2LPのブルー・ブラック・マーブル、クリスタル・クリア、3LPと2LPのブラック・ヴァイナル、2CDなどが並ぶ。

そして日本盤は、2CD+オーディオBlu-rayという独自仕様でのリリースが決まっている。詳細は後日発表される。生前に世界で1億2,500万枚以上を売り、2023年11月にロックの殿堂入りを果たしたアーティストの、いちばん勢いのあった時期の1公演。それが38年を経て、ようやく通しで聴けるようになる。

















