スピルバーグ、『激突!』で撮れなかった列車衝突を50年越しに実現


スティーヴン・スピルバーグ監督の最新作『ディスクロージャー・デイ』が、10月1日に日本で公開された。あわせて解禁された本編映像には、スピルバーグが半世紀以上前から温めてきた“幻の列車衝突シーン”が収められている。(フロントロウ編集部)
踏切で後ろから押し込まれ、目の前には列車
映像の舞台は踏切。停車した車の中で向かい合うマーガレット(エミリー・ブラント)とダニエル(ジョシュ・オコナー)に、背後から車が激突する。乗っているのは、「ワーデックス」の現場エージェント、ボイド(ヘンリー・ロイド=ヒューズ)だ。
車は後方から押し込まれ、正面からは猛スピードの列車が迫る。ボイドが勢いをつけようと一度バックした隙に、ダニエルが「今だ、出ろ!」とマーガレットに叫び、ドアを開けて脱出を試みる。しかし間に合わず、車は列車に激突し、そのまま引きずられていく。ふたりがこの窮地をどう切り抜けるのかは、本編で確かめたい。

少年時代のおもちゃの列車から『激突!』へ
スピルバーグにとって、列車は映画を撮り始めた少年時代からの特別なモチーフだ。半自伝的作品『フェイブルマンズ』でも描かれたように、少年スピルバーグはおもちゃの列車同士を衝突させ、その様子をスーパー8ミリカメラで撮影していた。
そして1971年の『激突!』。謎のタンクローリーに追われる主人公デヴィッド・マンの車を、走行中の貨物列車へ追い込むというアイデアを、スピルバーグは当時から構想していた。ところが完成した作品では列車は通過するだけで、デヴィッドの車がぶつかることはなかった。
それから50年以上。スピルバーグは今作で、当時思い描いていた衝突をついに映像にした。本人も「『激突!』では列車が通過してデヴィッドの車は衝突しなかったが、『ディスクロージャー・デイ』では私が本当にやりたかったことができた」と語っている。
コリン・ファース「多くの作品のDNAを受け継いでいる」
オマージュは列車だけではない。脚本を読んだコリン・ファースは、スピルバーグ作品のファンだからこそ物語に強く惹かれたそうで、「『未知との遭遇』だけでなく、『ブリッジ・オブ・スパイ』『ミュンヘン』『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』など、多くの作品のDNAを受け継いでいる」とコメント。本作には「多くの異なるスピルバーグ作品の要素が組み込まれている」と明かしている。
実際に劇中には、幼いマーガレットが光に包まれた謎めいた家へ入っていく、どこか『未知との遭遇』を思わせるシーンも登場する。

脚本は『ジュラシック・パーク』のデヴィッド・コープ、音楽はジョン・ウィリアムズ。エミリー・ブラントとジョシュ・オコナーのほか、コリン・ファース、イヴ・ヒューソン、コールマン・ドミンゴが出演する。過去作を知るファンほど、随所に仕込まれた“映画愛”に気づけるはずだ。
















