権威あるアワードに女優たちがこぞって黒いドレス着用し、映画業界内のセクハラや性差別に抗議するというムーブメントを巡り、女優たちの間で論争が巻き起こっている。

レイプ告発女優が「偽善的」とバッシング

 来年1月にアカデミー賞の前哨戦と呼ばれるゴールデングローブ賞の授賞式に出席する女優たちの多くが、セクハラや男女間における不平等への抗議のシンボルとして黒のドレスを着用する可能性があると、フロントロウでも先日お伝えしたが、このムーブメントをめぐり、女優たちの間で論争が勃発している。

画像: 女優のメリル・ストリープ。

女優のメリル・ストリープ。

 同アワードにノミネートされているメリル・ストリープやエマ・ストーン、ジェシカ・チャステインらをはじめ、舞台上でプレゼンターを務める女優たちも、こぞって黒のドレスでレッドカーペットに登場するのではないかと報じられるなか、この無言のプロテストが「偽善的だ」と噛みついたある女優が。

 その女優とは、ドラマ『ワンス・アポン・ア・タイム』のローズ・マッゴーワン。

画像: レイプ告発女優が「偽善的」とバッシング

 映画界におけるセクハラ騒動の発端となった元大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによるレイプ被害告発者の1人でもある彼女は、女優たちの黒ドレス着用のニュースを受け、自身のツイッターに辛辣なコメントを投稿。

 これまでにもセクハラスキャンダルに関して過激な発言を繰り返してきた彼女は、長年に渡りハーヴェイと親しい関係にあり、これまで数々の作品を共に制作してきたメリルを名指しして「メリル・ストリープみたいに、これまであの豚モンスター(※)と仲良く仕事をしてきた女優たちがゴールデングローブ賞でサイレント(無言の)・プロテストで黒ドレスを着るなんてね。あなたたちのサイレンス(沈黙)こそが問題なのに! 」と口撃。ハーヴェイの悪事を知りながら黙殺してきたとされる業界関係者たちに牙を剥いた。

※ハーヴェイの蔑称。ちなみにローズのツイートは現在は削除されている。

 さらにローズは、「息を弾ませてヤラセばっかりのアワードを受け取ればいいわ。あなたたちはきっと何の変化ももたらさないでしょうよ。あなたたちの偽善を軽蔑するわ。そうだ、みんな揃ってマルケッサ(※※)のドレスを着たらいいんじゃない?」と皮肉たっぷりに続けた。
※※ハーヴェイの妻であるジョージナ・チャップマンがデザイナーを務めるセレブ御用達ブランド。現在は離婚申請中。

  

別の女優がローズの発言を非難

 このローズのコメントに対し、映画『ジャンゴ 繋がれざる者』の女優アンバー・タンブリンがツイッター上で抗議コメントを発信。

 「ローズ・マッゴーワンとは友人で、彼女の活動は支持するけど、変化を起こそうとしている女性たちや(男性たち)を辱めたり愚弄したりすることには賛成できない。みんなマルケッサを着ればいいですって?あなたらしくないわよ、ローズ」と呼びかけた。

画像: 別の女優がローズの発言を非難

 さらに、「私たちのムーブメントは大きなもの。黒ドレスは、最終的にはこの国全土のあらゆる業界から闇を排出するための序章にしかすぎないわ。これは約束されていることよ」と続けたアンバーは、「私たちはこの戦いで、肩を並べて、武器を手に取り、女性同士(男性も)燃え尽きるまで体を寄せ合い立ち向かうの。両腕を広げ、心を重ね、私たちの炎は世界を焦がすものとなるはず」と、黒ドレスによる無言の抗議活動はやがて規模を拡大し、世間に大きな変化をもたらすだろうと主張した。

  

さらに別の女優がアンバーの行動を指摘

 このツイッター上でのアンバーからローズへのメッセージに、今度は、ドラマ『プリティ・リトル・ライアーズ』の女優ホリー・マリー・コームズが、過去に映画『チャームド 魔女3姉妹』で共演したローズを擁護するかのように「公にローズを批判するのではなく、個人的に忠告するべき」とアンバーに意見。

画像: さらに別の女優がアンバーの行動を指摘

 ホリーからの指摘に、アンバーは、じつはツイートをする前にローズと電話で会話していたことを明かし、「ローズのコメントは公然のものすぎるうえ、人を傷つける内容だったから、私も公にコメントしたまでよ。彼女とは長い時間話をして、私がどう思っているかは彼女も知っている。私はローズのことはものすごく大好きで、これからもその気持ちは変わることはないわ。誰かの行動について批判的になるのは、その人自体を非難するのとは違う。それは、あなたの共通のメッセージでもあるわよね」と返答した。

  

 この女優たちの論争に世間からはさまざまな意見が。ローズの主張にもアンバーの主張にも、それぞれ賛同の声が上がっている。

 今回の黒ドレス着用による無言の抗議活動の目的は、女優たちが団結し、長い間業界内外に蔓延ってきたドス黒い問題に光を当てること。意見は違えど、この件に関して、アワードの開催前からすでに人々の間で活発に意見が交わされ、注目を集めていることには、とても大きな意味がある。

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