アメリカのフリースタイルスキー選手、ガス・ケンワーシーが平昌オリンピックの生中継中にテレビカメラの前でボーイフレンドとキス。その様子が米NBC局のプライムタイム番組で放送され話題となっている。

カメラの前でキス

 2014年のソチ五輪で銀メダルを獲得した注目選手のガスは、2月18日(日)に開催されたスロープスタイル予選に出場。

 結果は惜しくも予選敗退となったものの、競技前、ガスは友人たちとともに彼の勇姿を見守っていた恋人で映画『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』などに出演する俳優のマシュー・ウィルカスの元へと歩み寄り、まるで勝利を祈る願掛けかのように抱き合いながら唇にキス。

 これまでアメリカでは、オリンピックのような世界的イベントの中継で、しかも、視聴者数の多いプライムタイムに男性同士のキスが生放送されたケースは非常に稀とあり、ガスとマシューのキスシーンが放送されると海外のSNSユーザーたちの間ではこのことでもちきりに。

 LGBTQコミュニティへの理解を示し、同性愛者たちへの偏見を取り払う大きな一歩につながる歴史的一瞬だったとポジティブなリアクションが相次いでいる。

画像: ガス(写真右)は2015年にフェイスブックを通じて同性愛者であることを告白。マシューとは、同年の11月から交際をスタート。

ガス(写真右)は2015年にフェイスブックを通じて同性愛者であることを告白。マシューとは、同年の11月から交際をスタート。

 放送から一夜明け、ガスは世間からの称賛の声に「このシーンがカメラに収められているなんて思わなかったけど、撮影されていたことを嬉しく思います。子供の頃の僕は、まさかオリンピックのテレビ中継でゲイカップルのキスを見るなんて夢にも思っていなかったけど、今、テレビの前の子どもたちはそれを夢見ることができるんですね。愛は愛で愛です」とツイッターを通じて心からの喜びを口にしていた。

 さらに、恋人のマシューは、米CNNとのインタビューで「あれは、ほんの一瞬の短いキスでした。もっと情熱的なキスをしても良かったけど」とジョークを交えながら、「僕たちのキスが人々の目に触れるのは、ポジティブなことだったと思います。LGBTQコミュニティにとっても。でも、その一方では、『別に普通のことなのに』という思いもあります」とコメント。異性間の愛情表現がテレビ放送されるのが、ごく普通のことと受け入れられているように、同性同士の愛情表現もタブー視されない時代が来ることを願っている。

 2人のキスを目の当たりにした多くの人々の反応見るに、彼らが思い描くその日は、そう遠くは無い気がする。

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