2018年のヴィクトリアズ・シークレット・ファッションショーにミュージカルゲストとして出演したシンガーのホールジーが、同ブランドの方針に遠まわしに苦言を呈した。(フロントロウ編集部)

 11月上旬に行われたランジェリーブランド、ヴィクトリアズ・シークレット(以下ヴィクシー)・ファッションショーのテレビ放送が米現地時間の12月2日夜に行われたことに合わせ、同ショーのランウェイでパフォーマンスを行った人気シンガーのホールジーが、SNSを通じてこんなメッセージを発信した。

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 若い頃からずっとヴィクトリアズ・シークレット・ファッションショーに憧れていました。今年のショーで、たくさんの素晴らしいアーティストたちや努力家なモデルたちと肩を並べてパフォーマンスができたことは、私にとって最高の一夜となるはずでした。
 しかし、収録後、ショーに関して、ある聞き捨てならない発言が見られました。
 LGBT+コミュニティのいちメンバーとして、私は、インクルーシヴィティ(包括性)の欠如を決して許すことができません。とくに、ステレオタイピング(固定概念)による決めつけから派生したものに関しては。
 今私のアカウントを訪問している人は、きっと今夜放送された私のパフォーマンスを見てくれた人たちだと思います。どうか、みなさんの関心の矛先をGLSENへと誘導させてください。GLSENはLGBT+の若者たちを守るためのさまざまなサービスを提供するチャリティー団体です。
 LGBT+の若者たちは、この世界で、ただでさえ疎外感を感じています。そんな中で問題のコメントの標的となった彼らに敬意を表し、私は同団体に大きな額の寄付を行いました。
 今、このメッセージを読んでいるトランスジェンダーの方、あのコメントのせいで、もしもあなたが疎外感や自分が無価値であると感じさせられたなら、どうか、あなたは1人ではないということを忘れないでください。あなたには仲間が居ます。私たちは団結して立ち向かうのです。私が支持するのは、包括的で受容的な「ファンタジー」だけです。
—ホールジー

画像: ヴィクシーショーでパフォーマンスするホールジー。モデルたちが装着する天使の羽に合わせ、眉毛に羽をつけて登場した。出演モデルたちとも仲が良いい彼女は、舞台裏でも和気あいあいとした姿を見せていた。

ヴィクシーショーでパフォーマンスするホールジー。モデルたちが装着する天使の羽に合わせ、眉毛に羽をつけて登場した。出演モデルたちとも仲が良いい彼女は、舞台裏でも和気あいあいとした姿を見せていた。

 ホールジーの言う、“聞き捨てならない発言”とは、ショーの収録に合わせて行われたヴィクシーショーの統括を務める同社の重役エド・ラゼックの「トランスジェンダーは器用しない」という発言。

 数年前から、「ヴィクシーはモデルの多様性に欠ける」といった批判の声があるなかで、エドは自身の考えるヴィクシーショーの在り方について「トランスジェンダーのモデルをショーに出演させるべきだって?いいえ。私たちがすべきことではない。どうして?それはこのファッションショーがファンタジーだからだよ。42分間の特別なエンターテイメント、それがヴィクトリアズ・シークレット・ファッションショーなんだ。唯一無二で、どのファッションブランドも一目置く。私たちの粗探しをする競合でさえもね」と発言。

 まるで多くの人が憧れるファンタジーの世界にトランスジェンダーが加われないというような、このエドの差別的なコメントには、世間から批判が殺到していた。

画像: ショー前にモデルたちを鼓舞するエド。

ショー前にモデルたちを鼓舞するエド。

 エドを名指しにはしなかったものの、彼のコメントのなかに登場した「ファンタジー」という言葉を引用してメッセージを締めくくったホールジー。

 以前からLGBT+コミュニティへの支持を訴え、女性の人権を向上するための運動などにも盛んに参加していることで知られる彼女は、自身が嬉々として出演したヴィクシーショーの裏に、差別的、排他的な思惑が潜んでいることに耐えられなかったよう。

 エドはその後、ヴィクシーの公式ツイッターを通じて問題発言について謝罪しているが、ヴィクシー幹部である彼が推進してきた方針に関しては、シンガーのリアーナもヴィクシーショーが多様性に欠けることを指摘したボディ・ポジティブ活動家のツイートを「いいね」するなどして難色を示している。(フロントロウ編集部)

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