モデルから女優へと華麗なる転身を遂げ、リュック・ベッソン監督映画『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』(以下『ヴァレリアン』)などの話題作に次々と出演しているカーラ・デルヴィーニュ。
インスタグラムのフォロワー数が4千万人を突破している彼女が、"ある投稿"がきっかけで1晩でなんと5万人ものフォロワーを失ったことを明かした。
その投稿とは、カーラが、R&BシンガーのR・ケリーによる未成年の少女を含む女性たちへの長年にわたる性的暴行や軟禁、彼が率いていたと言われるセックス・カルトに関する疑惑を追ったドキュメンタリー・シリーズ『Surviving R. Kelly(サバイビング・R.ケリー)』の感想を述べ、ケリーの行ないへの嫌悪感を露わにした長文メッセージ。
カーラは、同投稿で番組内で告発を行なった被害者たちを励まし、音楽業界の重圧に負けず、ケリーの悪事を指摘したり、過去に一緒に仕事をしたことを謝罪したアーティストたちの勇気を称えた。
「昨夜、『Surviving R. Kelly』を観終わりました。彼の悪事がこんなにも長く続いていたことに、大きなショックを受け、怒りを感じています。被害者やその家族のみなさんの精神的、身体的苦痛には同情しかありません。ケリーという男は、権力を使って女性たちを食い物にするモンスターです。私の見解では、彼がしてきたことは、あのハーヴェイ・ワインスタイン(※1)よりも極悪で、然るべき責任を追うべきです。
2人を比べるつもりはないけれど、私が言いたいのは、なぜハーヴェイは警察に捜査されているのにケリーはされていない(※2)のかということです。
この件に関しては、私たちにも責任があると思っています。私自身、彼が告発されていることは知っていましたが、これまで事態の深刻さを深く理解しようとはせず、彼の音楽を聴き続けてきました。アート(作品)とアーティストを区別するのはもう止めにしましょう。たとえ彼が天使のような歌声の持ち主だとしても、彼が天使であるとは限らないからです。(番組に出演したり、SNSを通じてケリーを批判した)シンガーのジョン・レジェンドやキキ・パルマ―、ラッパーのヴィンス・ステープルズ、チャンス・ザ・ラッパー、女優のジェイダ・ピンケット・スミス、シンガーのレディー・ガガに賛辞を送ります。より多くのミュージシャンたちが、ケリーというモンスターに立ち向かう姿勢を見せてくれることを願います。※1有名セレブたちを含む複数の女性たちからセクハラやレイプなどで訴えられているハリウッドの大物プロデューサー。彼の悪事が告発されたことをきっかけに「#MeToo」や「#Time’s Up」などのハッシュタグを掲げた世界的なセクハラ・性差別撲滅運動が勃発することとなった。
※2『Surviving R.Kelly』の放送をきっかけにケリーに対する検察の捜査が始まったことが報じられている。
長文の最後にケリーの音楽をボイコットすることを訴える「#MuteRKelly(ミュート・R・ケリー)」、セクハラ撲滅運動のスローガンである「#MeToo(ミー・トゥー)、そして、「黒人少女たちの命も大切だ」という意味の「#blackgirlslivesmatter(ブラック・ガールズ・ライヴス・マター)」というハッシュタグを添えて締めくくったカーラのこの投稿には、セレブ仲間からの反応も含む、50万件以上の「いいね」が集まった。
しかし、一方では、彼女の発言に抵抗を感じ、難色を示したフォロワーも。
カーラは、この投稿の翌日、おどけた表情で写る映画『ヴァレリアン』の撮影中のオフショットを投稿し、再び長文コメントを添えて、たった1晩で5万人もの人々にアンフォローされた事実を報告した。
「これは、R・ケリーに関する投稿をした後、5万人のフォロワーを失ったことを知ったときの私の顔。何か本当のことを言ったときや、信じている何かについて語ったとき、物議を醸すようなコメントをしたとき、問題提起するようなことに言及したとき、私は決まってフォロワーを失ってしまいます。
私をアンフォローしたのは、私が言ったことには同意しない人たち、前進するよりも後退するというアイディアを選ぶ人たちのはずです。
2019年、私はもっと挑戦的で対立を恐れない人でありたい。言っておくけど、挑戦的というのは、暴力的という意味ではありません。人とコミュニケーションを取ることを恐れないという意味です。これは私が今でも困難だと感じていることです。
私はこれまでの人生において、ずっと、人との衝突を避け、沈黙を貫くように教えられてきました。沈黙は抑制を生み、抑制は病を生みます。でも、もうそんなのは止めにしたい!
さようなら、沈黙。そして後退的なフォロワーたち。こんにちは、挑戦。そして前向きな考えの持ち主たち。今年はどんどん声を上げていく1年になります!」
カーラは、2016年末にハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインによる性的暴行被害の告発が相次いだ際、先陣を切って彼による被害を告発したセレブの1人。
自身がセクハラ被害者になった経験があるからこそ、彼女には、ケリーによる性的暴行の被害者たちの気持ちがよく解り、とにかく黙ってはいられなかったということのよう。
彼女にとって、たくさんのフォロワーを失うことよりも、もっとずっと重要なのは、自分の見解や立場をはっきりとさせ、世の中に問題の深刻さを訴えること。カーラの毅然とした姿勢には、最初の投稿の倍以上もの人々が「いいね」を寄せ、賛同を示している。
ちなみに、ケリーは番組放送後の世間からの反発を受けてパニック発作を起こし、病院で処置を受けたことが米TMZの報道により明らかになっている。
(フロントロウ編集部)