きっかけはアンバーの文書
ジョニー・デップが2016年に離婚した元妻のアンバー・ハードを名誉棄損で訴えたことがわかった。
きっかけは2018年12月、映画『アクアマン』に出演しているアンバーがジョニーによるDVを告発したことで受けた誹謗中傷についての文書を米Washington Postを通して公開したことから。
大物俳優であるジョニーを相手にDVを告発したことで、アンバーが様々な社会的制裁を受けたことを説明したうえで女性の人権尊重を主張したこの文書で、アンバーはジョニーの名前こそ出さなかったものの「2年前に告発したDV」として彼のDVを語った。
告発後にアンバーが、仕事を下ろされたことや脅迫メールが殺到したこと、世間から厳しい視線を浴びたことを明らかにしたこの文書をめぐり、アンバーの告発に以前から真っ向から反論していたジョニーが、仕事に影響したとして、約56億円(5,000万ドル)の損害賠償金を求めてアンバーを名誉棄損で訴えている。
ジョニーの『パイレーツ』出演に支障
ジョニーの弁護士は米Deadlineを通して「ハード氏はDVの被害者ではありません。彼女は加害者であると説明するほか、一連の訴えは「アンバーの好感度をあげてキャリアを前進させるための手のこんだインチキ」だと徹底的に否定。
さらにはアンバーの文書が原因で、ジョニーの『パイレーツ・オブ・カリビアン』のリブート作品への出演にも支障をきたしたと弁護士は訴えている。
これを受けて、アンバーの弁護士が同サイトに反論の声明を公開。「浅薄な行動はデップ氏が継続してアンバー・ハードを黙らせようとする動きのひとつにすぎません。彼女は沈黙することはありません」「デップ氏の行動は現在進行形で続く暴力的な態度の事実を受け入れられない証拠です」と、ジョニーの訴えに真っ向から対立している。
2016年の示談時からくすぶる対立
ジョニーとアンバーは、2016年に「和解しがたい不一致」を理由に離婚を申請し、アンバーがジョニーのDVを告発してドロ沼の離婚騒動へと発展した元夫婦。
アンバーの顔にあざができた写真が流出する、ジョニーがアンバーを「人間のクズ」と呼ぶなど、ドロ沼化した離婚劇は約3ヵ月後に示談という形でひとまず終結。ジョニーがアンバーに約7億円の示談金を払い、アンバーはチャリティ団体への全額寄付を発表。アンバーはその後実際に寄付を行なったが、全額が寄付に使われたかは確認されていない。
ただ示談したとは言え、ジョニーがDVを認めたわけでも、アンバーがDVを否定したわけでもなく、示談した時に2人が共同で発表した声明でも、 “意図的”に危害を加えたことがなく、“金銭的利益”のためにウソをついたことはないなどといった、限定的な言葉が使われた。
決定的な解決がないまま数年が経ち、再びそれぞれの思いが噴出。あのドロ沼離婚劇から約3年が経った今も、元夫婦の主張は平行線をたどっている。(フロントロウ編集部)